研究課題/領域番号 |
14037276
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研究種目 |
特定領域研究
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配分区分 | 補助金 |
審査区分 |
生物系
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研究機関 | 愛知県心身障害者コロニー発達障害研究所 |
研究代表者 |
加藤 兼房 愛知県心身障害者コロニー・発達障害研, 究所・生化学部, 部長 (50022801)
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研究分担者 |
伊東 秀記 愛知県心身障害者コロニー・発達障害研, 究所・生化学部, 研究員 (40311443)
稲熊 裕 愛知県心身障害者コロニー・発達障害研, 究所・生化学部, 主任研究員 (10250250)
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研究期間 (年度) |
2002
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研究課題ステータス |
完了 (2002年度)
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配分額 *注記 |
3,500千円 (直接経費: 3,500千円)
2002年度: 3,500千円 (直接経費: 3,500千円)
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キーワード | Hsp27 / αBクリスタリン / プロテアソーム / ユビキチン / 蛋白質合成阻害剤 / リン酸化 / 細胞死 / 熱ショック因子 |
研究概要 |
(1)デスミン関連ミオパシー患者の一家系で報告されているαBクリスタリンの変異体であるR120GαBクリスタリンの哺乳動物細胞内における性質について解析した。一過性に発現させたR120GαBクリスタリンは、主に細胞成分の不溶性画分に存在し、細胞内で複数の封入体を形成していること、そして、Hsp27を共発現することでその封入体形成を阻止できることを明らかにした。 (2)ロテアソーム阻害剤(MG-132)に対するHsp27とαBクリスタリンの応答を、ヒトグリオーマ細胞U373MGおよびU251MGを用いて解析し、以下の結果を得た。 1)MG-132で誘発される両シャペロンの誘導および不溶性分画への蓄積とユビキチン化蛋白質の蓄積は、細胞内封入体の形成をもたらし、細胞死を引き起こした。 2)しかし、シクロヘキシミドなどの蛋白合成阻害剤を共存させると、熱ショック因子(HSF)の活性化が阻止され、不要性分画への上記蛋白質の蓄積と封入体形成が阻止されて細胞死が一時的に防御された。 3)逆に、MG-132によるHSFの活性化を促進する作用のあるlipoxygenaseの阻害剤、nordihydroguaiaretic acid (NDGA)を共存させると、両シャペロンの不溶性分画への蓄積とユビキチン化蛋白質の蓄積が増加した。NDGA単独では上記の作用は認められなかった。 以上の結果より、プロテアソーム阻害剤によるαBクリスタリンおよびHsp27の不溶性分画への蓄積はHSFの活性化が密接に関与していることが示唆された。 (3)αBクリスタリンと相互作用する蛋白質を同定するためyeast two-hybrid法によるスクリーニングを開始した。これまでに複数の陽性クローンを得て、それらの全長cDNAを取得し、結合ドメインの解析、組換え蛋白質の精製、培養細胞での発現などを現在行っている。 (4)酸化ストレスが神経組織封入体形成に関与していることが知られている。現在酸化ストレス(diethyl maleate, diamide,過酸化水素)と細胞内蛋白質の異常蓄積について解析中である。
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