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遷移金属酸化物における熱電応答の理論的研究

研究課題

研究課題/領域番号 14038204
研究種目

特定領域研究

配分区分補助金
審査区分 理工系
研究機関東北大学

研究代表者

小椎八重 航  東北大学, 金属材料研究所, 助手 (20273253)

研究期間 (年度) 2002
研究課題ステータス 完了 (2002年度)
配分額 *注記
1,500千円 (直接経費: 1,500千円)
2002年度: 1,500千円 (直接経費: 1,500千円)
キーワード熱起電力 / Heikesの式 / 強相関電子系 / 数値対角化法
研究概要

本計画では,強い電子間相互作用を含む系における熱電応答と電子の電荷,スピンそして軌道自由度との関係を調べた.本計画にいたるまでの前段階での研究で,我々は新たな熱電変換材料として有望であることもあり注目される,NaCO_2O_4の電子状態に焦点を当て,その熱電応答におけるスピンや軌道の役割を明らかにしてきた.すなわち,熱起電力に対する高温極限からのアプローチであるHeikesの式の一般化を通して,この物質の巨大な熱起電力に対して調べ,この理論は実験を定量的によく説明した.
今回我々は,特にスピン自由度の役割に焦点を当て,強相関電子系の熱起電力を数値的対角化の手法を用いて調べた.取り扱った模型は,二重交換模型と呼ばれるスピンと伝導電子の結合を記述する一般模型と,これの派生したものである.この系の熱起電力は,キャリヤー濃度を固定しているにもかかわらず,その大きさだけでなく符号まで温度に依存する.この温度依存性は,局所的なスピン自由度の縮退と,これを運ぶキャリアーの結びつきとして理解できることがわかった.
これまでの研究で,強相関電子系の熱電応答におけるスピンと軌道縮退の役割について,以下のようなことが明らかとなった.電子間相互作用が強い極限でのキャリヤーの運動は,含まれる電子の個数がひとつ違う単位胞間での電子の飛び移りとして表現される.これはまた,見方を変えると,電子の個数がひとつ違う単位胞の並べ替えとして表現できる.このとき電荷は単位電荷分しか移動しないが,縮退の移動分は各単位胞の縮退度の兼ね合いで決まる.この縮退の移動分の大小は,そのまま,熱起電力に反映されるのである.これは,強相関電子系における熱電応答の特徴のひとつである.

報告書

(1件)
  • 2002 実績報告書
  • 研究成果

    (4件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (4件)

  • [文献書誌] 小椎八重 航: "強相関電子系における熱起電力の理論:スピンと軌道の役割"応用磁気学会誌. 26. 738-744 (2002)

    • 関連する報告書
      2002 実績報告書
  • [文献書誌] W.Koshibae: "Effect of spin and orbital on thermopower in strongly correlated electron systems"Journal of Magnetism and Magnetic Materials. (in press).

    • 関連する報告書
      2002 実績報告書
  • [文献書誌] W.Koshibae: "Exact-diagonalization study of thermoelectric response in strongly correlated electron systems"Physica B. (in press).

    • 関連する報告書
      2002 実績報告書
  • [文献書誌] W.Koshibae: "Oxide Thermoelectronics"Kunihito Koumoto. 255 (2002)

    • 関連する報告書
      2002 実績報告書

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公開日: 2002-04-01   更新日: 2018-03-28  

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