研究課題/領域番号 |
14038228
|
研究種目 |
特定領域研究
|
配分区分 | 補助金 |
審査区分 |
理工系
|
研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
山田 耕作 京都大学, 大学院・理学研究科, 教授 (90013515)
|
研究期間 (年度) |
2002
|
研究課題ステータス |
完了 (2002年度)
|
配分額 *注記 |
1,100千円 (直接経費: 1,100千円)
2002年度: 1,100千円 (直接経費: 1,100千円)
|
キーワード | フェルミ液体 / 高温超伝導 / 電子相関 / 摂動展開 / 重い電子 / Sv_2RuO_4 / くり込み / 超伝導 |
研究概要 |
本特定領域では高温超伝導の流れを受け、相関の強い電子系の研究に重点が置かれてきた。公募として単年度の参加となったため、フェルミ液体論を全面的に展開して理論を発展させることはできなかったが、基本的に重要な発展を遂げることができた。 それは重い電子系のミクロな超伝導理論の構築である。一般に電子系のエネルギースケールはeV(1万K)のオーダーである。そのエネルギーから1Kのオーダーのエネルギーを持つ超伝導をミクロに導出することは不可能に近いと考えられてきた。それ故、ミクロにハミルトニアンから超伝導を導出することは諦め対称性に基づく現象論が展開されてきた。我々はフェルミ液体論の繰り込みを基にミクロなハミルトニアンを導出し、繰り込まれた相互作用を持つ準粒子系を基に超伝導を議論する戦略と具体的方法を提案し、実行した。それはオンサイトの有効相互作用に関し、摂動展開して準粒子問の相互作用を求め超伝導を議論する弱結合のアプローチである。簡単であるが、様々な対称性のギャップが自然に導出される。 その結果、実に30年以上も未解決であった、重い電子系の超伝導がその機構とギャップの対称性、さらに転移温度まで計算することができた。今までのところ、理論と一致しない系は無い。いずれ、不一致が見つかり、理論の更なる発展を促すことと思われる。 摂動がフルに力を発揮するのはフェルミ液体であり、その描像の普遍性を以上の理論の発展は示すものである。
|