研究課題/領域番号 |
14038231
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研究種目 |
特定領域研究
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配分区分 | 補助金 |
審査区分 |
理工系
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研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
川村 光 大阪大学, 大学院・理学研究科, 教授 (30153018)
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研究分担者 |
多々良 源 大阪大学, 大学院・理学研究科, 助手 (10271529)
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研究期間 (年度) |
2002
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研究課題ステータス |
完了 (2002年度)
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配分額 *注記 |
1,100千円 (直接経費: 1,100千円)
2002年度: 1,100千円 (直接経費: 1,100千円)
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キーワード | カイラリティ / 異常ホール効果 / フラストレーション / スピングラス / ベリー位相 / ホール抵抗 / カイラル帯磁率 |
研究概要 |
カイラリティ(キラリティ)とは、磁気的フラストレーション等によって誘起された立体的(非平面的)なスピン構造にともなって出現する量で、秩序構造が局所的に右手系か左手系かを表す自由度として定義される。近年、固体統計物理の分野においてカイラリティ自由度がしばしば重要な役割を果たすことが明らかになってきた。特にランダムなフラストレート系の典型例として永らく研究の対象とされてきた希薄磁性合金スピングラスの相転移の機構として、研究代表者は「カイラリティ機構」を提唱してきた。電子論的観点からは、スピンカイラリティは伝導電子に対してベリー位相を付与し、特有の異常ホール効果を導く場合がある。本研究では、これまで独立に研究されてきたスピングラス転移のカイラリティ機構とカイラリティ起源の異常ホール効果という2つのトピックを統合し、スピングラスの秩序化と伝導の物理に新たな展開をもたらした。具体的には、1)s-d模型に基づいた3次摂動によりカイラリティ起源の異常ホール項を理論的に導出し、2)その理論式に基づいて金属スピングラスのホール抵抗がカイラル帯磁率の情報を含むことを明らかにし、カイラリティ仮説検証のための実験に対する提言を行った。
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