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溶融塩電解法による新しいホストーゲスト型強相関遷移金属酸化物の物質開発

研究課題

研究課題/領域番号 14038238
研究種目

特定領域研究

配分区分補助金
審査区分 理工系
研究機関中央大学

研究代表者

佐藤 博彦  中央大学, 理工学部, 助教授 (90262261)

研究期間 (年度) 2002
研究課題ステータス 完了 (2002年度)
配分額 *注記
1,900千円 (直接経費: 1,900千円)
2002年度: 1,900千円 (直接経費: 1,900千円)
キーワード強相関 / 酸化物 / 磁性 / 導電性 / 物質探索 / 溶融塩 / 単結晶 / ホスト-ゲスト系
研究概要

本研究は、溶融塩電解装置を開発すること、それを利用し新しいホスト-ゲスト型強相関遷移金属酸化物を作成すること、の二段階から成り立っている。
第一段階に関しては、電気炉や純アルミナ製ルツボ、白金電極を組み合わせて目的を達した。電気炉に挿入されている熱電対温度計の読みと、実際の試料の温度との差が合成条件に影響を及ぼす事がわかったが、放射温度計を購入して試料部の温度を正確に読み取ることで解決した。白金電極に流す電流値は、時間的とともに増大させていくほうが良質の結晶が得られることがわかり、必要なプログラムを作成した。この装置を用いて、既知物質ではあるが、トンネル構造をもつ典型的なホストゲスト系であるホランダイト型マンガン酸化物とモリブデン酸化物の長さ数ミリの良質の結晶を得ることに成功した。現在、これらの磁性を始めとする諸物性の測定を開始している。特に、ルビジウムを含むホランダイト型マンガン酸化物では低温で多段階の磁気相転移が出現するなど、興味深い結果が得られている。今後、電気伝導度測定の結果も含め、投稿する予定である。
第二段階の新規物質の探索として、通常の条件下では得られにくい4価や5価のクロム酸化物の合成を試みた。ルチル型やペロブスカイト型の4価のクロム酸化物では金属的導電性と磁性が共存するなど興味ある結果がすでに報告されているが単結晶の作成は非常に困難である。我々はこれらの物質やホスト-ゲスト系であるホランダイト型のクロム酸化物の合成を溶融塩電解法で試みたが、残念ながら現在までに成功には至っていない。その理由としては、クロムは3価や6価になる傾向が非常に強く、4価を安定化させる温度条件や母体となる最適な溶融塩を見出すのが簡単でないことがあげられる。今後は、これらの条件をさらに突き詰めるのと同時に4dや5d電子系などの興味ある酸化物についても物質探索を行っていきたい。
狭義においては本課題では合成手段を溶融塩電解法に限っているが、通常の条件では得られにくい強相関電子系の合成として、水熱合成法による研究も進めた。その成果として、ルチル型のマンガン酸化物の良質な結晶を得、放射光を用いてらせん磁性の磁気相転移の臨界現象を精密に観測することができた。その成果は広島の低温物理国際会議で発表し、PhysicaBに掲載可となっている。

報告書

(1件)
  • 2002 実績報告書
  • 研究成果

    (1件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (1件)

  • [文献書誌] Hirohiko Sato, et al.: "Critical phenomena in helical magnet beta-MnO2 : X-ray magnetic scattering study"Physica B. (in press). (2003)

    • 関連する報告書
      2002 実績報告書

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公開日: 2002-04-01   更新日: 2018-03-28  

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