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低エネルギー太陽ニュートリノ検出装置のバックグラウンド評価と低減

研究課題

研究課題/領域番号 14039202
研究種目

特定領域研究

配分区分補助金
審査区分 理工系
研究機関東京大学

研究代表者

森山 茂栄  東京大学, 宇宙線研究所, 助教授 (50313044)

研究期間 (年度) 2002 – 2003
研究課題ステータス 完了 (2003年度)
配分額 *注記
4,100千円 (直接経費: 4,100千円)
2003年度: 1,800千円 (直接経費: 1,800千円)
2002年度: 2,300千円 (直接経費: 2,300千円)
キーワード中性子 / 太陽ニュートリノ / 暗黒物質 / 液体シンチレータ / 中性子束測定 / 高速中性子 / 熱中性子 / 大深度地下
研究概要

本年度は、昨年度に引き続き中性子束の測定を中心に研究を進めた。これは低エネルギー太陽ニュートリノ観測に至るためには、そのプロトタイプ検出器を用い、その実現可能性を示すだけではなく、プロトタイプ検出器から物理学上の成果、ここでは暗黒物質探索についての結果を出すことが重要だと考えているためである。具体的に述べると10トン程度液体キセノンを用いる低エネルギー太陽ニュートリノ検出器のプロトタイプである800kg程度の暗黒物質探索実験においては、高速中性子は極めてシリアスなバックグラウンドになりうる。この暗黒物質探索は、本研究の目標へ至るマイルストーンであり、我々はこの前段階の検出器により太陽ニュートリノ検出器の実現可能性を示すことを予定している。この成功により、さらに太陽ニュートリノの観測に至る道筋を示せるので、極めて重要な研究内容となってきた。
その800kg検出器で暗黒物質を捕らえるためには、高速中性子束を1.2x10^<-9>/cm2/s程度以下に抑えなくてはならない。これはすなわち、そのような小さな中性子束を検出する方法が必要とされることを意味する。このような高速中性子の検出には、液体シンチレータの波形弁別による高速中性子の同定と測定が用いられる。ただしγ線が飛びかう環境において高速中性子をこのような高い感度で測定しなくてはならない。必要とされる弁別能力は2x10^5に上る。そのため、手作りの液体シンチレータ(トルエン1.1リットル、POP5.6g, POPOP0.14g)を作成し、またバイクロンBC-501Aも用いた。これらを直径76mm,長さ240mmの容器に入れ、2つの3インチの光電子増倍管で測定した。波形弁別のために、波形を積分する時間の窓を0-500ns,0-50nsの二つとし、すべての信号についてこの2つの積分情報を同時に得た。さらにその比を取ることにより、γ線と高速中性子の弁別を行う。これらの比が1.12-1.17(手製シンチレータ)、1.16-1.36(BICRON)であるときに高速中性子とみなすことにすれば、効率45%(手製),90%.(BICRON)で高速中性子を捕らえられ、かつγ線との弁別能力は1.9x10^4(手製),1.4x10^4(BICRON)を達成することができた。この数字は目標には至っていないが、γ線の統計が足りないためである。上記比の分布を見た限りにおいては、ほぼ目標に達していると考えられる。
また、ドイツで開催された国際会議「Beyond the Desert 2003」や、つくばで開催された国際会議「宇宙線国際会議2003」に参加・研究発表してきた。同時に低バックグラウンドを基礎にした世界中の様々な実験、研究の進捗状況の情報収集を行うことができた。

報告書

(2件)
  • 2003 実績報告書
  • 2002 実績報告書

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公開日: 2002-04-01   更新日: 2018-03-28  

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