研究課題/領域番号 |
14041209
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研究種目 |
特定領域研究
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配分区分 | 補助金 |
審査区分 |
理工系
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研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
朝日 一 大阪大学, 産業科学研究所, 教授 (90192947)
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研究分担者 |
周 逸凱 大阪大学, 産業科学研究所, 助手 (60346179)
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研究期間 (年度) |
2002 – 2003
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研究課題ステータス |
完了 (2003年度)
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配分額 *注記 |
6,700千円 (直接経費: 6,700千円)
2003年度: 3,000千円 (直接経費: 3,000千円)
2002年度: 3,700千円 (直接経費: 3,700千円)
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キーワード | 半導体レーザ / 温度安定発振波長 / タリウム系半導体 / 温度無依存バンドギャップ / 光エレクトロニクス / 光通信 / MBE成長 |
研究概要 |
波長1.3μm-1.5μm領域で温度安定な発振波長の半導体レーザの実現が期待される新しいIII-V族混晶半導体TlInGaAsに関する研究を進めた。この混晶半導体は半金属TlAsと半導体InGaAsとの混晶であることから、ある組成域で温度無依存のバンドギャップを示す可能性があり、更に、屈折率の温度安定性も期待される半導体として提案したものである。したがって、この半導体を活性層に用いることにより、温度安定な発振波長をもつ半導体レーザの実現が期待される。これまでに、TlInGaAs/InPヘテロ構造においてフォトルミネセンス(PL)発光およびエレクトロルミネセンス(EL)発光のピークエネルギーの温度変化が予測どおり小さい値を持つことを示してきた。 本年度は、InP基板上に成長したTlInGaAsに対してエリプソメトリーおよび光反射測定により、屈折率の温度依存性を調べ、T1の添加および増加によりTlInGaAsの屈折率の温度依存性が小さくなることを観測した。更に、光吸収測定によりバンドギャップエネルギーの温度依存性も測定し、同様に温度変化が小さくなることが確認された。これに基づき1.5-1.6μmで発振するTlInGaAs/InP LDを試作し、発振スペクトルの縦モード波長の温度依存性として0.06nm/Kと小さな値を得た。しかし、広い温度範囲では縦モードの飛びが見られ、0.3nm/Kであった。さらに、1.2-1.3μm帯に対応するGaAs基板上に成長したTlInGaAs/GaAs量子井戸構造を作製し、この波長域でもPL発光波長の温度依存性が小さくなることを確認した。このことにより温度安定な発振波長の半導体レーザの実現の可能性を示した。
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