研究課題/領域番号 |
14042203
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研究種目 |
特定領域研究
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配分区分 | 補助金 |
審査区分 |
理工系
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研究機関 | 東北大学 |
研究代表者 |
仲井 邦彦 東北大学, 大学院・医学系研究科, 助教授 (00291336)
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研究分担者 |
中村 朋之 宮城県保健環境センター, 技師
佐藤 洋 東北大学, 大学院・医学系研究科, 教授 (40125571)
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研究期間 (年度) |
2002 – 2003
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研究課題ステータス |
完了 (2003年度)
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配分額 *注記 |
4,200千円 (直接経費: 4,200千円)
2003年度: 2,000千円 (直接経費: 2,000千円)
2002年度: 2,200千円 (直接経費: 2,200千円)
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キーワード | 甲状腺ホルモン / トランスサイレチン / ポリ塩化ビフェニール / プレアルブミン / 内分泌撹乱作用 / ダイオキシン類 / 非コプラナーPCB / サイロキシン |
研究概要 |
ポリ塩化ビフェニール(PCB)による内分泌撹乱作用の1つの機序として考えられている甲状腺ホルモン撹乱作用について、そのメカニズム解明とその活性を測定するアッセイ系の開発を検討した。すなわち、サイロキシンは脳の発達に必須であるが、脳移行に際してキャリアー蛋白質であるトランスサイレチンが必須である。そのトランスサイレチンにPCBが結合しサイロキシンの脳移行が阻害される可能性が示唆されている。そのようなPCBにはダイオキシン様の毒性はなく、非コプラナーPCBやその水酸化物が候補として指摘されている。本研究では、そのようなPCBの生物活性を分析、定量することを目指し、まずサイロキシン-トランスサイレチンの相互作用を解析する高感度分析系の確立を目指した。方法として、水晶発振子の周波数変動が結合分子量に相関する原理を応用したAffinix Qを利用し、サイロキシンを直接、もしくはpolyethylele glycol鎖を介してセンサーチップ上に固相化、トランスサイレチンの結合(センサーチップ上の質量変化)を観察したが、両者の相互作用を観察することはできなかった。次に、トランスサイレチンを固相化、リガンドであるサイロキシンを添加し相互作用を観察した。サイロキシンのような低分子の結合を見いだすには質量を大きくする必要があり、サイロキシンのアミノ基を介してアルブミンと結合させ使用した。結果は僅かながら結合が示唆されたものの、測定感度を十分に確保するには到らなかった。以上の実験の総括として、サイロキシンとトランスサイレチンとの相互作用には、サイロキシンのアミノ基が必須であるか(アミノ基の修飾は相互作用を減弱する)、トランスサイレチンとの結合においてサイロキシンの分子サイズ(サイロキシンへの分子修飾そのものが両者の結合に対して空間的に阻害する)が重要な要素であることが示唆された。
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