研究課題/領域番号 |
14042205
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研究種目 |
特定領域研究
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配分区分 | 補助金 |
審査区分 |
理工系
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研究機関 | 筑波大学 |
研究代表者 |
岡村 直道 筑波大学, 基礎医学系, 教授 (30134224)
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研究期間 (年度) |
2002 – 2003
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研究課題ステータス |
完了 (2003年度)
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配分額 *注記 |
2,700千円 (直接経費: 2,700千円)
2003年度: 1,100千円 (直接経費: 1,100千円)
2002年度: 1,600千円 (直接経費: 1,600千円)
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キーワード | ダイオキシン / 精巣上体 / 受精能獲得 / コレステロール / コレステロール結合タンパク質 / 精子成熟 / チロシンリン酸化 |
研究概要 |
本特定領域研究においては、哺乳動物の精子の機能的な成熟が起こる最初の場である精巣上体のタンパク質分泌活性に対するダイオキシンの影響を解析してきた。特に、精子成熟に至る一連の反応の起点となっているとされる精子細胞膜のコレステロールレベルの低下を引き起こす16kDaコレステロール結合タンパク質(ChBP)に関しては、ダイオキシン経口投与マウスにおいて精巣上体での発現が低下していること(13年度)、精巣上体での成熟に伴う精子のコレステロールレベルの低下が阻害され、精子内のタンパク質チロシンリン酸化の調節が乱されていること(14年度)を明らかにしてきた。(投稿中) 一方、精巣上体尾部の成熟精子は、in vItroでcapacitationが誘起される。fatty acid-free BSAは精子からの遊離脂質を結合するタンパク質として多くのcapacitation用培養液に加えられているが、精子のコレステロールレベルを低下させる活性においても、また、受精能を付与する作用においてもChBPに置き換えられることが明らかとなった。また、ChBPは、マウスの輸卵管のみならず卵巣や子宮でも発情期をピークとして発情間期には低下するという性周期に依存した発現を繰り返していることが判明した。(投稿準備中) 成体マウスへのダイオキシンの経口投与によって発現が低下するChBPが、精子の機能的な成熟、すなわち精巣上体での成熟と輸卵管でのcapacitationにおいて、精子の遊離コレステロールレベルを減少させることを通して中心的な役割を担っていることが明らかとなった。この結果は、ダイオキシンが雌雄の生殖器官での精子の受精能の獲得に重大な影響を及ぼしていることを示唆するものである。
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