研究課題/領域番号 |
14042216
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研究種目 |
特定領域研究
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配分区分 | 補助金 |
審査区分 |
理工系
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研究機関 | 北海道大学 |
研究代表者 |
松田 正 北海道大学, 薬学研究科, 教授 (20212219)
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研究期間 (年度) |
2002 – 2003
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研究課題ステータス |
完了 (2003年度)
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配分額 *注記 |
4,200千円 (直接経費: 4,200千円)
2003年度: 2,000千円 (直接経費: 2,000千円)
2002年度: 2,200千円 (直接経費: 2,200千円)
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キーワード | 環境ホルモン / サイトカイン / 増殖因子 / クロストーク / 転写 / ステロイド |
研究概要 |
本研究ではヒト胎性腎癌細胞株293T細胞にエストロゲンレセプターやそのレポーター遺伝子を導入することによってエストロゲンレセプターシグナルモデル系を、さらにサイトカインのシグナル伝達分子STATあるいはTGF-βの活性をモニターしうるレポーター遺伝子を導入することによってサイトカインあるいは増殖因子のシグナルモデルを再構築した。エストロゲンレセプターの活性化は17β-エストラジオール(E2)によりSTAT (STAT3)の活性化は293T細胞をIL-6やLIF (Leukemia inhibitory factor)で刺激することにより行ない、Smadの活性化は活性化タイプI型TGF-βレセプターを発現させることにより行なった。これらの刺激を組み合わせることによって互いのクロストークを観察することにより、エストロゲンレセプターがSTAT3と相互作用し、IL-6あるいはLIFの作用を抑制することを明らかにした。さらに増殖因子TGF-βやBMPのシグナル伝達分子であるSmad蛋白がエストロゲンレセプターと相互作用することにより、TGF-βやBMPの作用を制御し、エストゲンレセプター活性を増強することを293T細胞での再構築系やヒト乳癌細胞株MCF-7を用いて明らかにした。本研究においては、これらエストロゲンレセプターおよび増殖因子、サイトカインのシグナル伝達系を用いることにより、種々の環境ホルモンのこれらシグナル系への影響を検討した。エストロゲンレセプターを刺激するE2同様に種々の環境ホルモンによるエストロゲンレセプターの活性化は増殖因子TGF-βの刺激、すなわちTGF-βレセプターの活性化によって増強された。すなわち環境ホルモンもE2同様に増殖因子のシグナル伝達系とクロストークすることが観察された。また、E2によって増殖因子、サイトカインのシグナル系が抑制されることを明らかにしたが、検討した環境ホルモンのなかにはサイトカインによるSTAT3の活性化を逆に増強するものが存在した。その増強効果はドミナントネガテイブSTAT3やアンチエストロゲン、タモキシフェンによって抑制が認められた。また、増強効果を示す環境ホルモンによってMAPキナーゼの活性増強も観察された。
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