研究課題/領域番号 |
14042233
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研究種目 |
特定領域研究
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配分区分 | 補助金 |
審査区分 |
理工系
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研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
西川 淳一 大阪大学, 薬学研究科, 助教授 (90218131)
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研究期間 (年度) |
2002 – 2003
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研究課題ステータス |
完了 (2003年度)
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配分額 *注記 |
4,200千円 (直接経費: 4,200千円)
2003年度: 2,000千円 (直接経費: 2,000千円)
2002年度: 2,200千円 (直接経費: 2,200千円)
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キーワード | 内分泌攪乱物質 / 環境ホルモン / 核内レセプター / 生殖毒性 / オーファンレセプター |
研究概要 |
生物の発生・分化や生殖、恒常性の維持に重要な役割を果たしている核内受容体は低分子で脂溶性の高い生理活性物質であるステロイドホルモンや甲状腺ホルモンの受容体である。一方で、生態系に悪影響を与えてきた農薬やPCB等の化学物質の多くは、生体に取り込まれやすく、蓄積性の高い低分子の脂溶性物質である。これらのことは、環境汚染物質による内分泌撹乱作用が、核内受容体を介していることを示唆している。しかし、環境汚染物質の種類は非常に多く、また核内受容体もヒトにおいて48種類存在し、莫大な数の化学物質の多種類の受容体への影響を調べるためには、簡便で経済性に優れたハイスループット型のアッセイ系が必要である。 本課題では、これらのことに対応するため新規核内受容体リガンドスクリーニンク系の構築を進めてきた。アッセイ系は、核内受容体による転写活性化が受容体とコアクチベーターのリガンド依存的な相互作用に始まることを利用し、マイクロウエルプレート上に固定化した受容体に、化学物質とともにコアクチベーターとアルカリフォスファターゼの融合タンパク質を加え、洗浄後プレート上に残ったアルカリフォスファターゼ活性を検出することにより、核内受容体への化学物質の結合性を判定できる系を構築した。 このアッセイ系を用い、内分泌撹乱物質と疑われている化学物質について、複数の受容体への影響を調べだ結果、ノニルフェノール等のアルキルフェノール類はエストロゲン受容体だけでなく、ビタミンA受容体にも影響を示すことが分かった。また、海産巻貝類にインポセックスを誘起する有機スズ化合物は、レチノイドX受容体に強い活性を示した。これらのことは、内分泌撹乱物質は性ホルモン受容体だけを標的とするのではなく、複数の核内受容体に影響を与え、これらの複合した作用が生体に毒性を与えることを示唆している。
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