研究課題/領域番号 |
14042270
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研究種目 |
特定領域研究
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配分区分 | 補助金 |
審査区分 |
理工系
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研究機関 | 埼玉県立がんセンター |
研究代表者 |
川尻 要 埼玉県立がんセンター, 研究室, 主幹 (50142112)
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研究分担者 |
生田 統悟 埼玉県立がんセンター, 研究室・研究員 (00262072)
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研究期間 (年度) |
2002 – 2003
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研究課題ステータス |
完了 (2003年度)
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配分額 *注記 |
4,200千円 (直接経費: 4,200千円)
2003年度: 2,000千円 (直接経費: 2,000千円)
2002年度: 2,200千円 (直接経費: 2,200千円)
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キーワード | TCDD / AhR / 細胞質・核間輸送 / 細胞密度 / ケラチノサイト / リン酸化 / P38 MAPK / EGFR / 内分泌撹乱物質 / SXR / CYP3A4 / 核移行 / PCN |
研究概要 |
1).分子内修飾と細胞密度によるAhRの細胞内局在の調節機構 i)AhRはHaCaTの細胞密度により細胞内局在が変化し、低密度では主に核に高密度では細胞質に局在する。核外輸送阻害剤であるLeptomycin Bの添加実験より、密度依存的な分布の変化は高密度におけるAhRの核外輸送の促進によることが示唆された。(ii)細胞密度によりAhRの転写活性は変化し、その局在性に依拠することをXRE-luciferaseを組み込んだHaCaT細胞のレポーター活性で明らかにした。(iii)XRE-GFPを組み込ませたHaCaT細胞を用いてin vitro wound healing modelによる実験を行った結果、転写活性化が細胞間接着の希薄なwound edgesにそって見られることを明らかにした。(iv)AhRの核外輸送活性はNESのSer68をnegative chargeをもつAspに置換すると阻害される。この観察はSer68がリン酸化されるとAhRは核内に蓄積することを示唆する。(v)Phosphoserine68を含むペプチド抗体[Anti-AhR(61-74)-pS68]を作製し、活性化AhRが核内でリン酸化されることを明らかにした。(vi)p38MAPKの阻害剤SB203580でAhRの局在はより細胞質に移るが、ERK-MAPK系であるMEKの阻害剤U0126では変化が見られなかった。また、phosphatase阻害剤であるオカダ酸では逆に核への蓄積が促進された。従って、p38MAPKによるNES中のSer68のリン酸化と、細胞間接着シグナルで調節されるその脱リン酸化が細胞密度によるAhRの局在変化の分子機構として考えられる。 2).生殖腺細胞でのAhR/ARNTの機能解析 His-AhRを恒常的に発現している細胞は細胞増殖が遅く、またリガンドであるMC添加によりさらにその増殖速度が低下することが観察された。EGFR mRNAの発現量の変化は見られなかったが、EGFRタンパクのリガンド依存的な分解が観察された。この分解においてはProteasome阻害剤であるMG-132の添加効果は見られなかった。
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