研究課題/領域番号 |
14044020
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研究種目 |
特定領域研究
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配分区分 | 補助金 |
審査区分 |
理工系
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
川島 隆幸 東京大学, 大学院・理学系研究科, 教授 (80011766)
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研究期間 (年度) |
2002 – 2003
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研究課題ステータス |
完了 (2003年度)
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配分額 *注記 |
4,500千円 (直接経費: 4,500千円)
2003年度: 2,300千円 (直接経費: 2,300千円)
2002年度: 2,200千円 (直接経費: 2,200千円)
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キーワード | Martinリガンド / ホスホレン / チアホスフィラン / 三員環化合物 / X線結晶構造解析 / ホスホラン / 溶媒効果 / 5配位セレナホスフィラン / 複素三員環化合物 / オキサザホスファゲルモリジン / ヘキサメチルリン酸トリアミド / 三方両錐構造 |
研究概要 |
Martinリガンドを有するフルオロホスホランをCF_3SO_3SiMe_3と反応させ、ホスホニウム塩へと変換した後、脱プロトン化することで、リンイリドを得た。得られたリンイリドを低温で1当量の単体硫黄と反応させることにより、5配位チアホスフィランの合成に成功した。X線結晶構造解析により、チアホスフィランが大きく歪んだ三方両錐構造であることがわかった。種々の溶媒中での^<31>P NMRにおいて溶媒のdonor numberとの相関が見られたことと、求電子剤であるメチルトリフラートとの反応で硫黄上がメチル化されたことから、5配位チアホスフィランのP-S結合は、大きく分極していることを明らかにした。次に、3配位ホスフィレンに対して1当量のo-クロラニルを作用させて、5配位ホスフィレンを合成した。X線結晶構造解析により、5配位ホスフィレンは歪んだ正方錐構造であることがわかった。^<31>P NMRでは5配位リン化合物に特徴的な高磁場領域にシグナルが観測されたが、化学シフトの溶媒依存性はほとんど見られなかった。5配位ホスフィレンの三員環をなすP-C間の結合定数(^1J_<PC>)は、3配位ホスフィレンに比べ減少しており、三員環を形成するP-C結合が正方錐構造における高いp性を帯びたベイサル結合であることがわかった。5配位ホスフィレンは、メチルトリフラートと反応せず、三員環内のP-C結合の分極はそれほど大きくないことがわかった。ジエン類とのDiels-Alder反応、ボランとの還元反応も進行せず、5配位ホスフィレンの三員環内の二重結合は化学的に不活性であることがわかった。以上のように、5配位チアホスフィラン、5配位ホスフィレンを合成し、その構造および環内の結合の性質について明らかにすることができた。
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