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遷移金属―炭素多重結合の反応制御に基づく環状有機金属化合物の創製と応用

研究課題

研究課題/領域番号 14044049
研究種目

特定領域研究

配分区分補助金
審査区分 理工系
研究機関京都大学

研究代表者

大江 浩一  京都大学, 工学研究科, 助教授 (90213636)

研究期間 (年度) 2002 – 2003
研究課題ステータス 完了 (2003年度)
配分額 *注記
4,500千円 (直接経費: 4,500千円)
2003年度: 2,300千円 (直接経費: 2,300千円)
2002年度: 2,200千円 (直接経費: 2,200千円)
キーワードフリルカルベン / ピロリルカルベン / シクロプロパン化反応 / 触媒反応 / カルベン移動反応 / シグマトロピー転位反応 / 硫黄イリド / π-アルキン錯体 / 5-エキソ環化 / 2-フリルカルベン錯体 / 遷移金属錯体触媒 / シクロプロパン化 / 2-ピロリルカルベン錯体 / カルベン挿入反応 / ピロール
研究概要

本研究では,アルキンと遷移金属との反応によって生じるビニリデンおよびカルベン錯体の反応制御を機軸とした,新規有機金属化合物の合成と新規触媒反応の開発を行った。ビニリデン錯体の反応制御法としては電子環状反応とシグマトロピー転位を利用した。また,カルベン錯体に関しては,複素環を含むカルベン錯体の単離とそれを利用した触媒反応の開発を行った。
■α-ピラニリデン錯体と2-フリルカルベン錯体の新規合成法の開発
(Z)-β-エチニル-α,β-不飽和エステルと6族金属錯体との反応により,ビニリデン錯体が発生し,続く分子内環化を駆動力としてα-ピラニリデン錯体が生成した。また,(Z)-β-エチニル-α,β-不飽和アミドとの反応も同様に進行し,対応するα-ピラニリデン錯体を与えた。一方,(Z)-β-エチニル-α,β-不飽和ケトンとの反応では,π-アルキン錯体における5-エキソ環化により,2-フリルカルベン錯体が生成することを見出した。
■1-アシル-2-エチニルシクロプロパンの接触的芳香族化反応
cis-1-アシル-2-エチニルシクロプロパンの触媒反応を検討した。このシクロプロパンは,触媒量のM(CO)_5(THF)錯体(M=Cr,W)とEt_3Nの存在下反応し,フェノール誘導体を与えた。一方,エステルおよびアミドシクロプロパンの反応は全く進行しなかった。本反応は,アシルシクロプロピルビニリデン錯体の[3,3]シグマトロピー転位により生成する7員環カルベン錯体を経て進行したと考えられる。
■2-フリルおよび2-ピロリルカルベン錯体の発生法に基づく触媒反応の開発
触媒量のM(CO)_5(THF)錯体(M=Cr,W)存在下,(Z)-β-エチニル-α,β-不飽和ケトンとアルケンを反応させると2-フリルカルベン錯体が鍵中間体となりアルケンの触媒的シクロプロパン化反応が進行した。また,7-10族の遷移金属錯体も2-フリルカルベン錯体を経由するアルケンのシクロプロパン化反応を同様に触媒することが明かになった。さらに,(Z)-β-エチニル-α,β-不飽和イミンからは2-ピロリルカルベン錯体が発生し,アルケンの触媒的シクロプロパン化が進行することも明らかになった。一方,カルベン錯体のカルベン炭素に電子求引性置換基を有する2-フリルカルベン錯体の発生にも成功し,アリルスルフィド類との反応において,硫黄イリドの生成を経る触媒的シグマトロピー転位反応に応用できることを明らかにした。

報告書

(2件)
  • 2003 実績報告書
  • 2002 実績報告書
  • 研究成果

    (4件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (4件)

  • [文献書誌] K.Miki, T.Yokoi, F.Nishino, Y.Kato, Y.Washitake, K.Ohe, S.Uemura: "Catalytic Cyclopropanation of Alkenes via (2-Furyl)carbene Complexes from 1-Benzoyl-cis-1-butene-3-yne with Transition Metal Compounds"J.Org.Chem.. 69・5. 1557-1564 (2004)

    • 関連する報告書
      2003 実績報告書
  • [文献書誌] Y.Kato, K.Miki, F.Nishino, K.Ohe, S.Uemura: "Doyle-Kirmse Reaction of Allylic Sulfides with Diazoalkane-Free (2-Furyl)carbenoid Transfer"Org.Lett.. 5・15. 2619-2621 (2003)

    • 関連する報告書
      2003 実績報告書
  • [文献書誌] F.Nishino, K.Miki, Y.Kato, K.Ohe, S.Uemura: "Rhodium-Catalyzed Cyclopropanation Using Ene-yne-imino Ether Compounds as Precursors of (2-Pyrrolyl)carbenoids"Org.Lett.. 5・15. 2615-2617 (2003)

    • 関連する報告書
      2003 実績報告書
  • [文献書誌] K.Miki, F.Nishino, K.Ohe, S.Uemura: "Novel Approach for Catalytic Cyclopropanation of Alkenes via (2-Furyl)-carbene Complexes from 1-Benzoyl-cis-1-buten-3-yne"Journal of the American Chemical Society. 124・19. 5260-5261 (2002)

    • 関連する報告書
      2002 実績報告書

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公開日: 2002-04-01   更新日: 2018-03-28  

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