研究課題/領域番号 |
14044052
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研究種目 |
特定領域研究
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配分区分 | 補助金 |
審査区分 |
理工系
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研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
小松 満男 大阪大学, 大学院・工学研究科, 教授 (60029197)
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研究期間 (年度) |
2002 – 2003
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研究課題ステータス |
完了 (2003年度)
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配分額 *注記 |
4,100千円 (直接経費: 4,100千円)
2003年度: 2,100千円 (直接経費: 2,100千円)
2002年度: 2,000千円 (直接経費: 2,000千円)
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キーワード | トリシラン / シリレン / シラカルボニルイリド / 1,3-双極子 / 分子内シクロ付加 / 含ケイ素複素環 / 三環性複素環化合物 / ポリオールアルカロイド / オキサシラシクロペンタン / ビシクロ環 / アゾメチンイリド / 1,4-シラトロピー / シクロ付加 |
研究概要 |
ケイ素、窒素あるいは酸素などのヘテロ原子を組み込んだ多元素環状化合物の合成を、14族典型金属元素活性種を活用し、以下のように検討した。 高度縮環型の多元素環状化合物の合成とそのアルカロイド類縁体への変換 昨年度の研究成果を基盤とし、直鎖状トリシランの光照射により発生するシリレンと種々のカルボニル化合物から得られるシラカルボニルイリドを鍵とする多元素含有高度縮環型の複素環状化合物の合成を検討した。含窒素複素環の窒素上にアルケニル基をもち複素環のヘテロ原子のα位にカルボニル基が置換した基質とシリレン(トリシランの光照射により容易に発生)との反応を行ったところ、分子内シクロ付加により三環性多元素(ケイ素、窒素、酸素)複素環を合成することに成功した。とくに、アミノ酸の一つであるプロリン由来の基質を適用したところ、二種のジアステレオマー体が得られたものの、光学的に純粋な三環性複素環を合成することができた。これらの反応は、これまで主にヘキサン中で行っていたが、今回エーテルが非常に適した溶媒であることが明らかになった。本反応の鍵活性種であるシリレンは、従来非共有電子対をもつ溶媒中では活性が低下するというのが定説であったが、逆に安定化させることにより、その発生の促進につながるという興味深い知見を見出すことができた。 合成した物質群の骨格は橋頭位に窒素原子を有し、様々な生理活性を示す天然物中にみられることから、非常に興味深い。そこで、ケイ素官能基の化学変換により、最近注目を浴びているリオールアルカロイド類縁体へと誘導した。例えば、ピペリジン環が縮環した含ケイ素三環性化合物をフッ化物イオンと過酸化水素水で処理したところ、ヒドロキシメチル基とヒドロキシ基が置換したインドリジジン骨格を容易に合成することができた。従来、このタイプの物質の合成には何段階ものステップを要することからも、本反応の有用性が明らかになった。
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