研究課題/領域番号 |
14044054
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研究種目 |
特定領域研究
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配分区分 | 補助金 |
審査区分 |
理工系
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研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
笹井 宏明 大阪大学, 産業科学研究所, 教授 (90205831)
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研究分担者 |
JAYAPRAKASH Doss 大阪大学, 産業科学研究所, 助手 (60343240)
滝澤 忍 大阪大学, 産業科学研究所, 助手 (50324851)
荒井 孝義 大阪大学, 産業科学研究所, 助手 (80272483)
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研究期間 (年度) |
2002 – 2003
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研究課題ステータス |
完了 (2003年度)
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配分額 *注記 |
4,500千円 (直接経費: 4,500千円)
2003年度: 2,300千円 (直接経費: 2,300千円)
2002年度: 2,200千円 (直接経費: 2,200千円)
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キーワード | 金属クラスター / ナノ粒子 / ミセル / ポリマー担持型触媒 / 複合金属触媒 / バイノール / スピロ / 不斉配位子 / 触媒・化学プロセス / 自己組織化 / 超分子化学 / ナノ材料 / 分子認識 |
研究概要 |
ナノ粒子の表層に不斉配位子を固定化すれば、配位子が埋没することなく表層に露出するため、高活性な固定化不斉触媒が創製できる。そこでミセルポリマーおよび金属クラスター表層への不斉触媒の導入を検討した。 界面活性モノマーが水中で形成する球状ミセルを重合反応で不可逆的に固定化することで球状ポリマー担持型不斉触媒を合成した。ミセルポリマーに触媒を固定化した場合、鎖状ポリマー担持型触媒よりも、触媒担持率及び活性等において球状ポリマー担持型触媒は優れていることが明らかとなった。球状粒子の形状特性を利用した高活性な固定化触媒の開発に成功した。 金属表面への硫黄原子の自己集合能を利用したMPC担持型触媒の開発を行った。末端に光学活性寧BINOLを導入したジスルフィド存在下、金属クラスターを調製するのみで、ナノクラスター表層にBINOLが導入されたMPCが得られた。Au-MPC担持型BINOLとTi(O-i-Pr)_4から調製した触媒は、Et_2ZnとPhCHOの不斉アルキル化反応において、98%収率、86%eeで付加体を与え、固相に担持しない均一系触媒の場合と同等の活性を有することが明らかとなった。さらに、銅および銀を核とするCu及びAg-MPCを調製し、固定化触媒としての活性を評価した。その結果、Cu及びAg-MPCは、Au-MPCと同様高い活性を示すものの、再利用時においては、著しい活性の低下が見られた。クラスター形状の変化が活性に影響を与えていることが電子顕微鏡および動的光散乱試験から明らかとなった。また既存法では固定化が困難なGaSB触媒のAu-MPCへの導入についても検討した。MOM基で保護した長鎖のアルキル基をスペーサーに有するBINOL誘導体からMPCを調製し、その後、酸でMOM基を除去した。得られたAu-MPCからGaSB触媒を調製し、2-cyclohexenoneとdibenzyl malonateの不斉Michael反応に用いたところ、中程度の収率ながら98%eeで付加体を得ることに成功した。 球状粒子の表層に固定化することを目的に、剛直なスピロ骨格を有する新規配位子とその不斉金属触媒を創製した。
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