研究課題/領域番号 |
14044056
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研究種目 |
特定領域研究
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配分区分 | 補助金 |
審査区分 |
理工系
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研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
松林 玄悦 大阪大学, 大学院・工学研究科, 教授 (90029182)
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研究期間 (年度) |
2002 – 2003
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研究課題ステータス |
完了 (2003年度)
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配分額 *注記 |
3,600千円 (直接経費: 3,600千円)
2003年度: 1,500千円 (直接経費: 1,500千円)
2002年度: 2,100千円 (直接経費: 2,100千円)
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キーワード | ロジウム錯体 / イリジウム錯体 / ジチオレート錯体 / シクロペンタジエニル錯体 / ESRスペクトル / X線結晶解析 / 電導度 / 金錯体 |
研究概要 |
○シクロペンタジエニルあるいはペンタメチルシクロペンタジエニル基をもつRh(III)-多硫黄ジチオレートC_3S_5-錯体を合成し、その臭素酸化体の性状をしらべた。X線結晶構造解析から、結晶中において[Ph(C_5H_5)(C_3S_5)]はモノマーとして、[Rh(C_5Me_5)(C_3S_5)]_2はC_3S_5架橋をもつ二量体として存在することがわかった。臭素との反応によって得られた1電子酸化体[RhBr-(C_5H_5)(C_3S_5)]および[RhBr(C_5M_5)(C_3S_5)]は、いずれもRh-Br結合をもち、C_3S_5配位子中心の酸化が生じている。そのジクロロメタン中でのESRスペクトルにより、^<103>Rh(I=1/2)および^<79/81>Br(I=3/2)核との超微細結合定数から確認した。 ○ペンタメチルシクロペンタジエニルイリジウム(III)錯体[Ir(C_5Me_5)(C_8H_4S_8)]を合成し、そのヨウ素酸化によって1電子および2電子酸化体を得て、その性状をしらべた。 [NMe_4]_2(C_8H_4S_8)のエタノール溶液と[Ir(C_5Me_5)Cl_2]_2のジクロロメタン溶液の反応によって[Ir(C_5Me_5)(C_8H_4S_8)](1)を合成した。ジクロロメタン中で1と0.5当量のI_2を反応させて、[IrI(C_5Me_5)(C_8H_4S_8)](2)を得た。1と過剰のI_2の反応では、[IrI(C_5Me_5)(C_8H_4S_8)](I_3)(3)および[IrI(C_5Me_5)(C_8H_4S_8)](I_5)(4)が得られた。3と4については、X線結晶解析によってその構造を明らかにした。錯体4は[IrI(C_5Me_5)(C_8H_4S_8)](I_3)_<1/2>(I_7)_<1/2>であることがわかった。2のジクロロメタン中のESRは、Ir-I結合をもつ[IrI(C_5Me_5)(C_8H_4S_8)]とI^-イオンが対イオンになった[Ir-(C_5Me_5)(C_8H_4S_8)](I)による2種類の錯体種のシグナルを示す。いずれもC_8H_4S_8配位子部分が1電子酸化されている。酸化体3と4は、いずれもカチオン部分はIr-I結合を有し、C_8H_4S_8配位子部分が2電子酸化されている。酸化体3と4の電導度(粉末加圧成型試料、室温)は、(1.1-5.0)x10^<-6>Scm^<-1>である。
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