研究課題/領域番号 |
14044080
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研究種目 |
特定領域研究
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配分区分 | 補助金 |
審査区分 |
理工系
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研究機関 | 佐賀大学 |
研究代表者 |
北村 二雄 佐賀大学, 理工学部, 教授 (00153122)
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研究期間 (年度) |
2002 – 2003
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研究課題ステータス |
完了 (2003年度)
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配分額 *注記 |
3,600千円 (直接経費: 3,600千円)
2003年度: 1,800千円 (直接経費: 1,800千円)
2002年度: 1,800千円 (直接経費: 1,800千円)
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キーワード | 遷移金属触媒 / パラジウム / C-H結合活性化 / クマリン / フェノール / アセチレンカルボン酸 / アクリル酸エチル / パラジウム触媒 / アセチレンカルボン酸エステル |
研究概要 |
(1)アセチレンカルボン酸を用いるクマリン誘導体の簡便合成 エステルの代わりにカルボン酸を直接利用できるならば、本反応はさらに利用しやすい簡便な方法になる。そこで、酢酸パラジウム存在下、3-メトキシフェノールとフェニルプロピオル酸をトリフルオロ酢酸中室温で、42時間反応させたところ、4-フェニル-7-メトキシクマリンが62%収率で得られることがわかった。本反応は、エステルでなくカルボン酸から直接クマリンを合成することができるため、反応がよりシンプルになるため、有用な反応である。この場合にも、電子供与基をもつフェノールの反応が効率良く進行した。 (2)アクリル酸誘導体を用いるクマリン誘導体の合成 アセチレンカルボン酸誘導体のみならず、アルケンのアクリル酸誘導体を用いることができるならば、利用できる基質の範囲が広がり有用性が増すと期待できる。そこで、アセチレンカルボン酸エステルの代わりに、ケイ皮酸エチルを用いてフェノール類との反応を検討した。 3,5-ジメトキシフェノールとケイ皮酸エチルをトリフルオロ酢酸中触媒量の酢酸パラジウム存在下室温で反応させたところ、5,7-ジメトキシ-4-フェニルクマリンは7-17%という低収率であった。本反応では、アセチレンカルボン酸エステルの場合と同じ生成物であり、フェノールとオレフィンのカップリングののち環化してクマリンが生成したものと考えられる。この場合、アリールパラジウム種は二重結合へ付加するとパラジウムヒドリドの脱離が起こり、0価のパラジウムが生成する。このため、収率が低下したと予想される。そこで、添加剤としてペルオキソ二硫酸カリウムを加えたところ、大幅な収率の向上がみられ、42-58%収率で対応するクマリンが得られた。
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