研究課題/領域番号 |
14044094
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研究種目 |
特定領域研究
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配分区分 | 補助金 |
審査区分 |
理工系
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研究機関 | 大阪府立大学 |
研究代表者 |
柳 日馨 大阪府立大学, 総合科学部, 教授 (80210821)
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研究期間 (年度) |
2002 – 2003
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研究課題ステータス |
完了 (2003年度)
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配分額 *注記 |
4,300千円 (直接経費: 4,300千円)
2003年度: 2,200千円 (直接経費: 2,200千円)
2002年度: 2,100千円 (直接経費: 2,100千円)
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キーワード | アシルラジカル / 一酸化炭素 / アルキニルイミン / アルキニルアミン / ヒドロキシアリルラジカル / α-メチレン型ラクタム / 極性支配ラジカル環化 / 1,4-水素転位 / タンデム型ラジカル反応 / S_Hi / 含カルボニルヘテロ環 / 1,4-スズ転位 / ラクタム |
研究概要 |
ラジカルカルボニル化反応における第一中間体であるアシルラジカル種はさまざまな反応挙動を示すが、つづくヘテロ原子上での反応をうまく組み合わせることによりカルボニル基を含むヘテロ環構築の新方法論が達成されるものと期待される。本研究では環化反応におけるアシルラジカル種の受け手としてヘテロ元素が機能する分子内環化反応について検討した結果、以下に示す新規な知見を得た。求核性を示すアシルラジカル種がイミン窒素に対して親電子性を示すかどうかをab initioおよびDFT計算により考察した。その結果、通常のラジカル環化とは異なりイミン窒素とアシルラジカルとの間にイオン性支配の遷移状態が導き出された。この計算化学的予見に基づき各種アザエンインに対してトリス(トリメチルシリル)シランやブタンチオールを用いたカルボニル化反応をラジカル反応条件下で行ったところ、対応する有機ケイ素基や有機イオウ基を持つα-メチレン型のラクタム環が良好に生成した。次に、アシルラジカル種が分子内アミノ基によって求核的に捕捉されることを期待し反応を検討した。ω-アミノ置換アセチレンを用いた反応系でα,β-不飽和ラジカルを生成させた。たとえばAIBN存在下アルキニルアミンとトリブチルスズヒドリドとの反応を一酸化炭素加圧下に行うとα-メチレン置換のラクタム環が生成した。α-メチレン型ラクタムはアミンによるカルボニル基への求核付加後に生成したヒドロキシアリルラジカルから1,4-水素移動を経て生成したものと考えられる。副生したビニルスズ構造を持つ不飽和型生成物は、反応後に酸処理を行うことでα-メチレン型ラクタムに容易に変換された。これらの結果はアシルラジカル種と窒素原子との極性相互作用が環化の支配因子であり、含窒素多環構築に有用な方法論を提供できることを示した。
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