研究課題/領域番号 |
14045203
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研究種目 |
特定領域研究
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配分区分 | 補助金 |
審査区分 |
理工系
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研究機関 | 筑波大学 |
研究代表者 |
山本 泰彦 筑波大学, 化学系, 教授 (00191453)
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研究分担者 |
三田 肇 筑波大学, 化学系, 助手 (00282301)
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研究期間 (年度) |
2002 – 2003
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研究課題ステータス |
完了 (2003年度)
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配分額 *注記 |
3,700千円 (直接経費: 3,700千円)
2003年度: 1,900千円 (直接経費: 1,900千円)
2002年度: 1,800千円 (直接経費: 1,800千円)
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キーワード | 熱安定性タンパク質 / ヘムタンパク質 / 電子伝達タンパク質 / NMR / 電気化学測定 / 常磁性錯体 / 酸化還元電位 / 人工変異体 |
研究概要 |
緑膿菌(Pseudomonas aeruginosa)シトクロムC_<551>(PA)は、好熱性水素細菌(Hydrogenobacter thermophilus)シトクロムC_<552>(HT)とアミノ酸配列の相同性が56%と高く、高次構造も類似している。しかしながら、HTはPAに比べて熱変性温度が約40℃も高い。PAの疎水性コア内部に存在し、タンパク質の熱安定性に関与すると考えられるアミノ酸残基をHTでの対応する残基に置換した人工変異体を調製したところ、熱安定性のより高い一連の人工変異体が得られた。本研究では、PAとこれらの変異体について、標準酸化還元電位(E゜^1)およびNMRスペクトルのpH依存性を比較検討し、疎水性コア内部におけるアミノ酸置換がシトクロムcの機能と構造に与える影響を解析した。シトクロムcのヘムの配位構造、ヘム近傍の構造化学的性質とE゜^1の関係を明らかにするために、サイクリックボルタンメトリーによりE゜^1のpH依存性を測定した。PAのE゜^1はpHの上昇に伴い約60mV低下したが、これは酸化型タンパク質のヘムが電離したヘム側鎖プロピオン酸基により静電的に安定化されることに起因する。変異体のE゜^1のpH依存性もほぼ同様な傾向を示したが、pKaに関してF34Y/E43Y<F34Y<E43Y<PAの順になった。この結果は、ヘム側鎖プロピオン酸基のPKaがこれらの変異体で段階的に変化していることを示している。PAのヘム側鎖プロピオン酸基は側鎖に正電荷をもつアミノ酸とイオン対を形成しているが、近傍のアミノ酸を置換することにより、このイオン対の安定性を通してヘム側鎖プロピオン酸基のpKaが変化すると考えられる。これらのタンパク質のE゜^1は立体構造の安定性に依存することを私共は明らかにしている。したがって、ヘムのプロピオン酸基のpKaを調節することにより、熱安定性が高いシトクロムcにおいてE゜^1を調節することが可能であることが示された。
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