研究課題/領域番号 |
14045211
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研究種目 |
特定領域研究
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配分区分 | 補助金 |
審査区分 |
理工系
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
荒木 孝二 東京大学, 生産技術研究所, 教授 (40134639)
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研究分担者 |
務台 俊樹 東京大学, 生産技術研究所, 助手 (80313112)
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研究期間 (年度) |
2002 – 2003
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研究課題ステータス |
完了 (2003年度)
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配分額 *注記 |
3,400千円 (直接経費: 3,400千円)
2003年度: 1,700千円 (直接経費: 1,700千円)
2002年度: 1,700千円 (直接経費: 1,700千円)
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キーワード | 水素結合 / 超分子 / 階層構造 / 超分子フィルム |
研究概要 |
昨年度までの研究で、非極性で屈曲性に富むアルキルシリル基を側鎖に有するアルキルシリル化ヌクレオシドは、塩基間の多重水素結合により一次元テープや二次元シート状構造を形成し、アルキルシリル基部位の大きさでその集積形状を制御できること、およびこのような階層的な組織構造構築によりマクロスケールでの超分子繊維や超分子ゲルなどが作製できることを明らかにしている。本年度は、塩基間多重水素結合で形成される二次元シートの表面部分に位置するアルキルシリル基末端に極性のオキシエチレン鎖を導入し、その集積構造に対する影響について検討した。その結果、シート表面に位置するアルキルシリル基末端へのオキシエチレン導入により、シートがラメラ様に集積した高次階層構造を持つ超分子フィルムを得ることに成功した。得られたフィルムは高分子材料のように自立性と柔軟性を兼ね備えており、低分子化合物間の非共有結合で形成されていても十分な強度を持つ超分子フィルムとすることが可能であることを実証した。 さらに、アルキルシリル基の構造とアルキル基末端に導入する極性オキシエチレン鎖の長さを変化させた誘導体を設計,合成し、アルキルシリル部位修飾の高次階層構造形成への影響を調べた。その結果、核酸塩基間の水素結合をオキシエチレンユニットが阻害しないように分子構造を最適化とすることが重要であり、塩基間多重水素結合で形成された一次元テープが、さらにテープ間水素結合で結合した二次元シートとなり,オキシエチレン鎖同士の極性相互作用でシート間が集積するという階層構造をとることにより,柔軟性のある超分子フィルムが得られることを明らかにした。
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