研究課題/領域番号 |
14045225
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研究種目 |
特定領域研究
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配分区分 | 補助金 |
審査区分 |
理工系
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研究機関 | 東京工業大学 |
研究代表者 |
野島 修一 東京工業大学, 大学院・理工学研究科, 助教授 (20156194)
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研究期間 (年度) |
2002 – 2003
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研究課題ステータス |
完了 (2003年度)
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配分額 *注記 |
3,600千円 (直接経費: 3,600千円)
2003年度: 1,800千円 (直接経費: 1,800千円)
2002年度: 1,800千円 (直接経費: 1,800千円)
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キーワード | 結晶性-結晶性ブロック共重合体 / ポリエチレン / ポリ(ε-カプロラクトン) / 結晶化 / 高次構造 / 小角X線散乱 / シンクロトロン放射 |
研究概要 |
融点が十分離れている2種類の結晶性ブロックから成る2元ブロック共重合体、ポリ(ε-カプロラクトン)-block-ポリエチレン(PCL-b-PE)、の作る最終的な高次構造と構造形成過程を結晶化温度の関数として調べた。これらの結果より、この系におけるPCLブロックの結晶化メカニズムの詳細に着いて解明した。 最終的な高次構造は小角X線散乱(SAXS)法、透過型電子顕微鏡(TEM)、および、示差走査熱量計(DSC)により調べた。構造形成過程は、シンクロトロン放射を用いたSAXS(SR-SAXS)法、DSC、および、偏光顕微鏡(POM)により追跡した。 構造形成過程の追跡により、PCLブロックの結晶化メカニズムは高温(約35℃以上)と低温(35℃以下)ではまったく異なることが明らかとなった。高温ではすでに存在するPEの作るラメラくり返し構造を破壊してPCLに有利なラメラくり返し構造を作る。一方低温では、PEの作るラメラくり返し構造をテンプレートとしてその中でPCLが結晶化する。この結果、PCLの結晶化速度は2つのメカニズム間で大きく異なる。さらに最終的な高次構造をTEMにより観察すると、低温での結晶化の場合は、PEラメラ、PCLラメラ、非晶層の規則正しいくり返し構造が観察されるのに対し、高温で結晶化した場合は、PCLのラメラくり返し構造の他に不規則に散らばったPE結晶が観察された。 以上の実験結果より、PEの作るラメラくり返し構造は、引き続くPCLの結晶化に対してユニークな拘束となり、これを利用して最終高次構造を制御できる可能性がある。
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