研究課題/領域番号 |
14045249
|
研究種目 |
特定領域研究
|
配分区分 | 補助金 |
審査区分 |
理工系
|
研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
末延 知義 大阪大学, 大学院・工学研究科, 助手 (90271030)
|
研究期間 (年度) |
2002 – 2003
|
研究課題ステータス |
完了 (2003年度)
|
配分額 *注記 |
2,700千円 (直接経費: 2,700千円)
2003年度: 1,400千円 (直接経費: 1,400千円)
2002年度: 1,300千円 (直接経費: 1,300千円)
|
キーワード | 補酵素 / 非共有結合性相互作用 / 疎水場 / ルイス酸 / 定量的評価 / 速度論的解析 / リサイクル / 触媒作用 |
研究概要 |
生体内酸化還元系補酵素が関与する反応はタンパク中の疎水場における非共有結合性相互作用により制御されている。我々はこれまでに種々の補酵素モデル反応で疎水的環境において初めてルイス酸である金属イオンが、リサイクル可能な触媒として有効に機能することを見いだしている。本申請研究では、反応中間体として生成する補酵素のラジカルイオン種と非共有結合性相互作用をする触媒との結合の強さと、触媒活性との関係について検討し、生体内酸化還元系補酵素における非共有結合性相互作用を定量的に評価し、リサイクル可能な触媒作用との関係を明らかにすることを目的としている。補酵素およびそのモデル化合物の電子状態は、疎水環境における金属イオン等のルイス酸との非共有結合性相互作用によって元の電子状態から大きく変化し、特にラジカルイオン種でその変化は顕著になる。我々はこれまでに、種々のカルボニル化合物の還元反応において、金属イオンが電子受容体ラジカルアニオン種を非共有結合性相互作用により安定化することで電子移動触煤として作用することを見出している。最近我々は、金属イオンのみならず、アミドプロトンと電子受容体ラジカルアニオンとの水素結合形成が疎水的環境下では電子移動の活性化に有効であることを見出した。今年度は、p-ベンゾキノン類の電子移動還元反応において、生成するセミキノンラジカルアニオンとスカンジウムイオンがπダイマー錯体を形成するという、高次の自己組織化による電子移動の活性化が可能であることを初めて示した。また、NADH補酵素の電子移動酸化により、ラジカルカチオンの分光学的検出や脱プロトン化ダイナミクスの観測に初めて成功し、熱力学パラメータの定量的評価を行った。また、NADH補酵素同様にヒドリド供与体である有機金属ヒドリドの光誘起脱プロトン化を初めて見出し、その機構を解明して新しい光酸発生剤としての可能性を示した。
|