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障害物のある環境でのポリマー系のシミュレーションと生体への応用

研究課題

研究課題/領域番号 14045268
研究種目

特定領域研究

配分区分補助金
審査区分 理工系
研究機関金沢大学

研究代表者

高須 昌子  金沢大学, 理学部, 助教授 (50202148)

研究期間 (年度) 2002 – 2003
研究課題ステータス 完了 (2003年度)
配分額 *注記
3,600千円 (直接経費: 3,600千円)
2003年度: 1,800千円 (直接経費: 1,800千円)
2002年度: 1,800千円 (直接経費: 1,800千円)
キーワードポリマー / シミュレーション / ヒアルロン酸 / 拡散
研究概要

障害物のある環境での粒子やポリマーの拡散は、生体内での物質伝達やガンの転移とも関係していて、重要な問題である。
我々は、ヒアルロン酸溶液中の拡散に関するMasudaらの実験に着目する。ヒアルロン酸中の等方的粒子およびポリマーの拡散を、ブラウニアンダイナミクスの手法で研究した。
長距離拡散が短距離拡散に比べて、拡散定数が小さくなるという実験結果をシミュレーションで再現することができた。さらに、拡散定数は温度上昇に伴い増加するが、一定温度で反転することがわかった。ヒアルロン酸を固定した場合は、この拡散定数の反転は見られない。拡散定数の反転は、ヒアルロン酸が高温で運動が活発になり、拡散粒子の運動を阻害するためである。
実験ではヒアルロン酸の存在により拡散定数は30%程度減少する。一方、シミュレーションでは90%の減少である。これは2つの要因が考えられる。第1に、実際のヒアルロン酸よりも太い鎖のモデルを使っている。これはヒアルロン酸の影響が大きい領域を意図的に選んでいるためである。第2に、実際の系では網目がランダムに分布しているが、シミュレーションでは規則的な構造の場合を扱っている。ランダムな場合は、網目のスケールにゆらぎがあり、大きくあいた所を拡散していくので、拡散定数は大きめになる。ランダムな場合の計算は今後の課題である。
ポリマーの拡散の場合は、慣性半径により運動に違いが見られる。即ち、慣性半径が大きい場合は軸方向に運動しやすいが、慣性半径が小さく丸まった傾向にある時は、ヒアルロン酸の網目にひっかかり、拡散しにくい。
さらに、流れがある場合の拡散はゲル電気泳動とも関連していて興味深い。ポリマーが形状を変えながら動いていく様子を現在計算中である。

報告書

(2件)
  • 2003 実績報告書
  • 2002 実績報告書
  • 研究成果

    (4件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (4件)

  • [文献書誌] H.Noguchi, M.Ueda, Y.Baba, M.Takasu: "Anisotropic Friction Model of DNA Electrophoresis in Polymer Solutions"J.Poly.Sci. Polymer Physics. 41. 1316-1322 (2003)

    • 関連する報告書
      2003 実績報告書
  • [文献書誌] M.Takasu, J.Tomita: "Diffusion of Particle in Hyaluroran Solution, a Brownian Dynamics Simulation"The Proceeding of 3rd International Symposium on Slow Dynamics in Complex Systems. (to be published). (2004)

    • 関連する報告書
      2003 実績報告書
  • [文献書誌] H.Noguchi, M.Takasu: "Structural Changes of Pulled Vesicles: a Brownian Dynamics Simulation"Phys.Rev. E. 65. 051907:1-051907:7 (2002)

    • 関連する報告書
      2002 実績報告書
  • [文献書誌] H.Noguchi, M.Takasu: "Adhesion of Nanoparticles to Vesicles, a Brownian Dynamics Simulation"Biophys.J.. 83. 299-308 (2002)

    • 関連する報告書
      2002 実績報告書

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公開日: 2002-04-01   更新日: 2018-03-28  

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