研究課題/領域番号 |
14046202
|
研究種目 |
特定領域研究
|
配分区分 | 補助金 |
審査区分 |
理工系
|
研究機関 | 筑波大学 |
研究代表者 |
青木 慎也 筑波大学, 物理学系, 教授 (30192454)
|
研究期間 (年度) |
2002 – 2003
|
研究課題ステータス |
完了 (2003年度)
|
配分額 *注記 |
2,700千円 (直接経費: 2,700千円)
2003年度: 1,300千円 (直接経費: 1,300千円)
2002年度: 1,400千円 (直接経費: 1,400千円)
|
キーワード | 格子QCD / 小林・益川行列 / B中間子 / 重いクォーク / 作用の改良 / 相対論的不変性 / 崩壊 / 力学的クォーク / 作用の0(a)改良 / クエンチ近似 / モンテカルロ計算 |
研究概要 |
素粒子の標準模型において小林・益川行列の決定は重要であり、現在も多くの理論的計算、精密測定実験が行われている。特に、ボトムクォークを含む重いB中間子の物理が重要であり、日本のKEKやアメリカのSLACのBファクトリーで精力的な実験が行われている。その実験結果から小林・益川行列を決定するには格子QCDによる理論的な弱電磁行列要素の非摂動的な計算が必要である。しかしながら、格子上では格子カットオフより重いクォークを取り扱うことには理論的な困難があり、精密な計算が難しかった。本研究では、この困難を解決するために格子作用の改良という考えを重いクォークの場合に適用し、以下のような結果を得ている。 1.格子作用の0(a)改良というアイデアが重いクォークに適用できることを示し、0(a)改良に必要な理論のパラメタを摂動展開の1次で計算した。特に、クローバー項の係数の質量依存性を計算したのは世界ではじめてであり、今後の応用が期待される。また、崩壊定数などの計算に必要なカレントの繰り込み定数や改良係数もやはり摂動の1次で計算した。その結果を2編の論文として発表し、現在、印刷中である。 2.1の計算で決定したパラメタを用いて、格子QCDのクエンチ近似モンテカルロ計算で、我々の方法の有効性をテストした。従来の方法に比べて、連続極限で成り立つべき粒子の分散関係や崩壊定数などの相対論的不変性の回復が非常に良いという肯定的な結果を得たこの結果は2003年の7月につくばで開催された格子理論の国際会議で発表された。現在、論文を準備中である。 3.クエンチ近似でのテストが終了したので、2つの力学的クォークを含んだ格子QCDによって生成されたゲージ配位を用いて、重いクォークを含んだ中間子の質量や崩壊定数の計算を開始した。
|