研究課題/領域番号 |
14046209
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研究種目 |
特定領域研究
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配分区分 | 補助金 |
審査区分 |
理工系
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
前川 展祐 京都大学, 大学院・理学研究科, 助手 (40273429)
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研究期間 (年度) |
2002 – 2003
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研究課題ステータス |
完了 (2003年度)
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配分額 *注記 |
2,300千円 (直接経費: 2,300千円)
2003年度: 1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
2002年度: 1,300千円 (直接経費: 1,300千円)
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キーワード | 大統一理論 / ニュートリノ / 超対称性 / Doublet-Triplet Splitting / 異常U(1)対称性 / ホリゾンタル対称性 / FCNC / E6例外群 / ゲージ結合定数の統一 / 陽子崩壊 / 超対称性フレーバー問題 |
研究概要 |
基本的には、異常U(1)ゲージ対称性を用いた超対称性大統一理論の私が提案したシナリオについての研究を行いました。そのシナリオでは、対称性で許される相互作用すべてを0(1)係数で導入するという自然な要請をしているので、対称性を定めるための10個ほどのパラメータを決めるだけ理論を定義することができ、その枠内で、現象論のほとんどすべての問題が解けてしまうことは、驚くべきことであり、この方向に本物の大統一理論があることを確信させるに十分な結果であると考えています。昨年度の研究で、ランクが6の例外群(E6)と、非アーベルなホリゾンタル対称性が様々な問題を解く上で重要な役割を果たしているということがわかってきていますので、今年度は、この二つのキーワードに関する研究を主にしてきました。 まず、E6を大統一群としてもつ以前私たちが提案した理論より、よりシンプルな理論を発表しました。その理論は、大統一理論が、クォーク、レプトンの統一だけでなく、ヒッグズセクターの統一をもすることができる、ということを示していると考えます。また、その際に、スライディングシングレット機構という、大統一理論の大きな問題である、二重項-三重項ヒッグズの質量の縮退を大きく解く問題を、解決するために提唱された機構を、自然な形で一般化でき、その一般論は、E6大統一理論にうまく適用できる、ということを示しました。 更に、E6の部分群である、SO(10)'*U(1)理論でも、二重項-三重項の問題は解けることを示した論文もあります。 E6大統一理論において、一般的な仮定の下で、ニュートリノの混合角が、クォークの混合角よりも大きくなる、という最近の実験で知られてきている事実を予言する、ということを指摘し、さらに、世代間の非アーベルな対称性を導入すると、超対称性理論の大きな問題である、フレーバーを破る過程が大きくでてしまうという問題を自然に解決することを示しました。
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