研究課題/領域番号 |
14046210
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研究種目 |
特定領域研究
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配分区分 | 補助金 |
審査区分 |
理工系
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
野尻 美保子 京都大学, 基礎物理学研究所, 助教授 (30222201)
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研究期間 (年度) |
2002 – 2003
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研究課題ステータス |
完了 (2003年度)
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配分額 *注記 |
1,800千円 (直接経費: 1,800千円)
2003年度: 800千円 (直接経費: 800千円)
2002年度: 1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
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キーワード | 超対称性 / コライダー / 素粒子論 / 素粒子実験 |
研究概要 |
本年度は以下の点について研究を行った。 1)gauge mediation模型のLHCでの検証 gauge mediation模型ではgravitinoの質量がたいへん軽くneutrainoなどの超対称粒子は長い寿命をもってgravitinoに崩壊する。このlife timeは超対称性の破れのスケールに関係しており、破れの機構に深い関係をもっている。超対称粒子がphotonとgravitinoに崩壊する場合に超対称粒子のlife timeや質量を計る方法はいままで知られていなかったが、LHCの検出器では時間分解能が良いことを利用することで、eventを再構成できることを明らかにした。特にslepton->neutralino lepton->lepton photon gravitinoという崩壊過程について、slepton、neutralinoの質量を精度良く決定し、neutralinoの運動量と崩壊点をleptonとPhotonの運動量とdelay timeから精度よく計算し、life timeをはかることができることを示した。 2)スカラートップの性質のLHCでの研究 第三世代の粒子の質量はBの物理や統一理論の物理にたいして感度が良く、これらを実験で発見し、その性質を測定することが望ましい。LHCでのスカラートップ(stop)の主要な生成崩壊過程はgluino->t stop->chargino tbと予想される。top bottomを含むイベントの不変質量を計算することで、スカラートップの質量の再構成ができることをしめした。また分布を計ることで、スカラートップの混合行列を再構成できるかを検討し、QCD補正等の理解が進む必要はあるが、原理的にはこれが可能であることを示した。 3)超対称模型のevent full reconstructionの研究。 超対称模型においては、一番軽い超対称粒子が安定であると考えられまた荷電中性であるため、運動量の直接測定ができない。しかしながら多段崩壊がおこる時には見えている粒子から、neutralinoの運動量を再構成し、同時に超対称粒子の質量が決定できることを発見した。この結果をプロシーディングに発表し、論文の作成を進めている。
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