研究課題/領域番号 |
14047206
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研究種目 |
特定領域研究
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配分区分 | 補助金 |
審査区分 |
理工系
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
野本 憲一 東京大学, 大学院/理学系研究科, 教授 (90110676)
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研究分担者 |
鈴木 知治 東京大学, 大学院・理学系研究科, 助手 (20280935)
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研究期間 (年度) |
2002 – 2003
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研究課題ステータス |
完了 (2003年度)
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配分額 *注記 |
2,100千円 (直接経費: 2,100千円)
2003年度: 1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
2002年度: 1,100千円 (直接経費: 1,100千円)
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キーワード | ブラックホール / 重力波 / ガンマ線バースト / 超新星 / 極超新星 / 星の進化 / 連星 / 元素合成 |
研究概要 |
本研究の対象は、新たな重力波源として興味深い極超新星(ハイパーノバ)である。今年度は、ガンマ線バーストGRB 030329が、極超新星に特有のスペクトルを示すように進化し,SN2003dhとなったことが、最大のイベントであった。これは、ガンマ線バーストと極超新星が同一の星から起ることが決定的証拠となった。 (1)我々は、この極超新星SN 2003dhのスペクトル観測をすばる望遠鏡を用いて実行し、そのスペクトルが、極超新星のプロトタイプである。SN 1998wと極めて良く似ていること、ただし、相違点もあり、後期には、同じ極超新星でもやや規模の小さい爆発であるSN 1997efの方に近づくことを見出した。 (2)この極超新星SN 2003dhの爆発モデルの計算により、光度曲線やスペクトルをよく再現するモデルパラメータ、すなわち、親星の質量、爆発エネルギー、元素合成量(特に56Ni)を求めた。親星の質量が、太陽質量の35-40倍、爆発エネルギーも通常の超新星の30倍程度と、確かに極超新星であること、ブラックホールを形成する超新星であることを確かめた。 (3)また、非球対称な爆発と輻射輸送の効果を配慮した元素合成と光度曲線の計算を行なった。これにより、光度曲線の形に、非球対称な爆発に特有な形があることを見出した。 (4)連星系の進化を検討し、極超新星の発生率がガンマ線バーストの発生率とほぼ等しく、Ic型超新星よりは、桁違いに低いことを見い出した。これは、連星系でも融合などの特殊な進化をするものが、極超新星やガンマ線バーストと起すためである。
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