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LCGTへの適用を考えたDLCコーティングの研究

研究課題

研究課題/領域番号 14047218
研究種目

特定領域研究

配分区分補助金
審査区分 理工系
研究機関高エネルギー加速器研究機構

研究代表者

齊藤 芳男  高エネルギー加速器研究機構, 加速器研究施設, 教授 (00141979)

研究分担者 魚田 雅彦  高エネルギー加速器研究機構, 加速器研究施設, 助手 (70262045)
道園 真一郎  高エネルギー加速器研究機構, 加速器研究施設, 助手 (80249903)
研究期間 (年度) 2002 – 2003
研究課題ステータス 完了 (2003年度)
配分額 *注記
5,100千円 (直接経費: 5,100千円)
2003年度: 2,200千円 (直接経費: 2,200千円)
2002年度: 2,900千円 (直接経費: 2,900千円)
キーワード天文学 / レーザー干渉計 / 炭素薄膜 / 光学特性 / 材料加工処理 / 材料加工・処理
研究概要

平成14年度には,直径150mm,長さ1mの円筒の内壁全体にプラズマCVD法により,膜厚が均一なDLC薄膜をコーティングすることに成功した.この薄膜はガス放出が極めて少なく,LCGTのダクトや部品へコーティングすることにより超高真空に対応した干渉計システムを実現する一つの有効な方法であることが明らかになった.平成15年度はさらにガス放出の分析を進めた.残留ガスとして水が極めて少なく水分子の吸着に対して不活性であること,また,水素が残留ガスの主成分であることなどから,通常の金属表面とは異なる性質を持つことが分かった.これはSP2,SP3結合を持つ炭素の非晶質混合物であるDLCが,その結合手に水素を担持しているからと解釈できる.200℃の加熱(真空ベーキング)では,分解等は起こらずDLCの構造に変化はないことが確かめられた.
干渉計に用いるバッフル(ダクト内壁からの散乱を遮光)へのDLCコーティングの応用に際しては,その光学特性(使用する波長1064nmに対して)の詳細を調べる必要がある.平成14年度に行なった垂直入射での反射率測定から,DLCはその表面が極めて平滑であるにもかかわらず反射率が11%と低く,バッフルとして有効であることが分かった(コーティングの下地には電解複合研磨を施したステンレス鋼を用いた).平成15年度では,さらに反射率の入射角依存性を調べた.その結果,p偏光に対しては,40度入射において反射率が5%であることが明らかになった.本来,可視から近赤外においてDLCは吸収率は低いので,このような低反射率を光の吸収からは説明できない.入射角依存性を詳しく調べた結果,厚さ1ミクロンのDLC薄膜内部での多重干渉効果により反射率が低下していると推察された.
以上得られた結果を考慮して,平成15年度に,300m干渉計(TAMA300/三鷹)に設置するためのバッフルを製作した.レーザー偏光面に対して45度の傾きを持たせ,かつ,直径400mmのダクト内に挿入するため,バッフルの幾何学的形状を最適化し,楕円状リングを四分割したものとした.これにプラズマCVDで膜厚1ミクロンのDLCをコーティングした.さらに,バッフルによる雑音低減効果(遮光効果)が真空を破らないで比較測定できるよう,バッフルに可動機構を付加した.このバッフルはTAMA300に設置され真空排気も終え,干渉計の運転を待機中である.これにより,実際の重力波観測に際しての雑音の低減が期待されるとともに,LCGTへの適用するにあたっての多くの知見が得られることになる.

報告書

(2件)
  • 2003 実績報告書
  • 2002 実績報告書
  • 研究成果

    (1件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (1件)

  • [文献書誌] R.Takahashi, et al.: "Application of diamond-like Carbon (DLC) coating for gravitational wave detector"Vacuum. 73. 145-148 (2004)

    • 関連する報告書
      2003 実績報告書

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公開日: 2002-04-01   更新日: 2018-03-28  

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