研究課題/領域番号 |
14048220
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研究種目 |
特定領域研究
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配分区分 | 補助金 |
審査区分 |
理工系
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研究機関 | 慶應義塾大学 |
研究代表者 |
田中 茂 慶應義塾大学, 理工学部, 教授 (10137987)
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研究分担者 |
賀 克斌(He Kebin) 清華大学, 環境工学科, 教授
奥田 知明 慶應義塾大学, 理工学部, 助手 (30348809)
賀 克丈武 精華大学, 環境工学科, 教授
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研究期間 (年度) |
2002 – 2003
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研究課題ステータス |
完了 (2003年度)
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配分額 *注記 |
4,900千円 (直接経費: 4,900千円)
2003年度: 2,100千円 (直接経費: 2,100千円)
2002年度: 2,800千円 (直接経費: 2,800千円)
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キーワード | 環境質定量化・予測 / 環境分析 / 環境変動 / 大気汚染防止・浄化 / 有害化学物質 / 東アジア / 微量金属 / 大気粉塵 / エアロゾル / 有害金属 / 超高感度計測 / LA / ICP-MS / 越境大気汚染 |
研究概要 |
前年度までに、大気粉塵試料をレーザー光で溶発・気化させICP-MSに導入し分析を行う超高感度な微量金属分析法(LA/ICP-MS)専用のエアロゾルサンプラーの開発を行ったが、本年度はその性能評価を行った。具体的には、開発されたLA/ICP-MS専用サンプラーと、従来用いられてきた32試料自動連続サンプラーとを並行して大気粉塵の捕集を同地点で同時に行い、得られた大気粉塵試料中の微量金属濃度をLA/ICP-MSを用いて測定し、両者の値を比較した。その結果、両サンプラーで捕集した大気粉塵中微量金属濃度とその経日変動はそれぞれ一致した。また、LA/ICP-MS専用サンプラーは、最低気温が氷点下10℃を下回るような極寒地域である北海道利尻島の冬季においても問題なく動作した。これらの結果より、LA/ICP-MS専用サンプラーの有用性が確認された。 前年度から引き続いて、東アジア地域における大気粉塵中有害金属の実態調査を行った。具体的には、発生源データを把握するために中国北京市(清華大学)において、また大気汚染物質の長距離輸送の影響を評価するために清浄地域である利尻島において、大気粉塵の採取を行った。2カ年半以上の長期間に渡って採取されたそれぞれ数百を越える大気粉塵試料は、本研究により開発されたLA/ICP-MS分析法を用いて15種類の金属の測定が行われた。その結果、北京市の大気粉塵中の微量金属濃度は、利尻島と比較して約10倍以上も高いことが判った。特に、北京市大気粉塵中のAlやTiなどの土壌由来の微量金属濃度は利尻島と比較して約15倍、同様に石炭燃焼由来と考えられるAsは約40倍と極めて高濃度であることが判った。東アジアからの大気の流れを推定する後方流跡線解析の手法を用いて大気粉塵中金属の分析データを解析した結果、東アジアから日本近海への大気粉塵の長距離輸送の実態が明らかとなった。
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