配分額 *注記 |
27,700千円 (直接経費: 27,700千円)
2006年度: 4,100千円 (直接経費: 4,100千円)
2005年度: 4,100千円 (直接経費: 4,100千円)
2004年度: 6,300千円 (直接経費: 6,300千円)
2003年度: 6,500千円 (直接経費: 6,500千円)
2002年度: 6,700千円 (直接経費: 6,700千円)
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研究概要 |
1. 光誘起電子移動反応で生ずるラジカルカチオン(RC)の電子構造と分子構造の解明 光誘起電子移動反応を探索し,有機物RCの電子構造と分子構造の解明の検討を有機・物理化学的実験および理論計算から行った.その結果,新規オキサテトラメチレンエタン型RC,軌道相互作用が全くない分離型RC,最大の軌道相互作用がある分離型RC,非古典的RCなどを見いだした.また,熱発光を利用した励起ビラジカルの観測とその軌道相互作用についても検討し,熱発光法が過渡吸収法では観測しにくい短寿命中間体の観測に有効であることも示した. 2. 光機能性界面を指向したゼオライト表面の新しい有機修飾 メチレンシクロプロパンのHZSM-5ゼオライトを用いた電子移動反応では,異性化したブタジエンRCが, HZSM-5の超分子的立体効果により半永久的に安定化されることを見いだし,その反応機構を詳細に明らかにした.さらに,ゼオライトの新規内部有機修飾法を見いだした. 3. 開殻分子の熱発光機構解明と有機ラジカルELの開発 (1)開殻分子の熱発光機構解明 メチレンシクロプロパンの熱発光の機構を検討した.その結果,発光は,逆電子移動後に生じた励起トリメチレンメタン(TMM)型励起ビラジカルに由来することを明らかにした. (2)有機ラジカルELの開発 さらに熱発光現象を有機ELに応用する研究を行った.励起ビラジカルが有機EL素子中で発光すると推測し,新概念として「化学反応を含み,開殻種からの発光を利用する有機EL素子」を提案した.その特微は, i)長波長発光の簡易実現, ii)量子収量の飛躍的向上, iii)耐久性向上の新機構,の三点である.実際に,メチレンシクロプロパンをドーパントとして用いた二層系有機EL素子を作成したところ,励起ビラジカル由来の新たなELが観測された.我々はこれを「有機ラジカルEL」と名付けた.
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