研究課題/領域番号 |
14050060
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研究種目 |
特定領域研究
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配分区分 | 補助金 |
審査区分 |
理工系
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研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
中戸 義禮 大阪大学, 基礎工学研究科, 教授 (70029502)
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研究期間 (年度) |
2002
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研究課題ステータス |
完了 (2002年度)
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配分額 *注記 |
3,300千円 (直接経費: 3,300千円)
2002年度: 3,300千円 (直接経費: 3,300千円)
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キーワード | 光触媒 / 二酸化チタン / in situ FTIR / 光エッチング / ナノホール / 微粒子 / 反応中間体 / 酸素発生 |
研究概要 |
TiO_2電極と微粒子系の両方において、光エッチングを利用して構造規制された面を形成し、水の光分解や光触媒反応の分子レベルの機構を明らかにし、これをもとに光触媒活性の向上と新しい光触媒反応の開発をはかることを目的に研究を行った。まず光エッチングについては、単結晶TiO_2(ルチル)の場合、水素還元処理における加熱温度を500℃程度に抑えると、きれいに配列したナノオーダーの周期的な規則構造をもつ(100)面露出の表面が得られることを明らかにした。微粒子TiO_2の光エッチングについても研究を進め、Pt担持TiO_2微粒子を硫酸水溶液中で光照射すると、ナノ細孔が形成することを確認した。ただし、この場合には、光エッチングで生じるナノホールの直径が、単結晶TiO_2電極の場合に比べて1/10ほどに小さくなること、また光エッチングの起こりやすさが粒径に依存し、粒径が小さくなるほど起こりやすくなることを明らかにした。光触媒反応の分子論的機構の解明については、新しくZnSe単結晶を用いる多重内部反射(MIR)FTIR法を採用して、水溶液中における光照射で生成したTiO_2表面上の光触媒反応(おもに光生成した電子による溶存酸素の還元反応)の初期中間体の検出に世界ではじめて成功した。溶液のpH、溶存酸素の有無、溶液中へのFe<3+>イオン(電子捕捉剤)やメタノール(正孔捕捉剤)の添加、重水置換等の効果を詳細に調べ、また文献による金属-酸素錯体のIR吸収バンドなどとの比較を行い、TiO_2微粒子表面における励起電子による酸素還元反応の初期過程について、新しい分子論的機構を提案した。TiO_2微粒子表面における酸素還元反応の中間体は、光触媒反応(廃棄物、有害物質等の光分解)において重要な役割を果たしているとされており、この意味でこの結果は大変興味深い。
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