研究課題/領域番号 |
14050062
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研究種目 |
特定領域研究
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配分区分 | 補助金 |
審査区分 |
理工系
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研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
朝日 剛 大阪大学, 大学院・工学研究科, 助教授 (20243165)
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研究期間 (年度) |
2002
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研究課題ステータス |
完了 (2002年度)
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配分額 *注記 |
2,800千円 (直接経費: 2,800千円)
2002年度: 2,800千円 (直接経費: 2,800千円)
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キーワード | 金ナノ粒子 / 単一粒子分光 / 表面プラズモン共鳴 / 顕微光散乱分光 / 表面吸着 / 塩効果 / ミー理論 / 化学センサー |
研究概要 |
透明ガラス基板上の単一金ナノ粒子の光散乱スペクトルを顕微レイリー散乱分光システムを用いて測定し、大きさ50〜250nm球形粒子について、表面プラズモン共鳴スペクトルのサイズおよび媒体の屈折率依存性をミー理論によって定量的に評価できることを単一粒子レベルではじめて明らかにした。また、表面プラズモン共鳴に及ぼす、溶媒や水溶液中の塩濃度の効果を単一粒子分光によって調べ、本手法によって金ナノ粒子表面の局所環境の効果を高感度に検出し、かつそれを定量的に評価できることを確認した。HCl、NaCl、CaCl_2水溶液中における大きさ約100nmの単一金ナノ粒子のスペクトルから、表面プラズモン共鳴スペクトルは、1)塩濃度とともに長波長シフトする。2)シフト量はCl^-イオンの濃度が高いほど大きくなる。3)スペクトルのシフトや形状の変化には、粒子ごとにばらつきがあるが、同一粒子についてCl^-は濃度が高いほどシフト量は大きいことが分った。表面を化学修飾したナノ粒子の結果、さらにはミー理論に基づいたスペクトルの定量的な解析から、粒子表面へのCl^-イオンの吸着によって表面プラズモン共鳴スペクトルが敏感に変化することを明らかにした。このように、単一粒子について測定することによって、サイズや形状の効果を排除して、吸着分子の効果を明確にすることが可能となり、得られた成果は、金ナノ粒子の表面プラズモン共鳴に与える表面吸着分子の影響とその機構に対して基本的な知見を与えるとともに、単一金ナノ粒子の分光測定を利用した新しい分子・バイオセンサーの基礎につながるものである
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