研究課題/領域番号 |
14050071
|
研究種目 |
特定領域研究
|
配分区分 | 補助金 |
審査区分 |
理工系
|
研究機関 | 愛媛大学 |
研究代表者 |
小島 秀子 愛媛大学, 工学部, 助教授 (20304644)
|
研究期間 (年度) |
2002
|
研究課題ステータス |
完了 (2002年度)
|
配分額 *注記 |
2,900千円 (直接経費: 2,900千円)
2002年度: 2,900千円 (直接経費: 2,900千円)
|
キーワード | 有機ナノ結晶 / 超分子結晶 / 光機能材料 / ポルフィリン / 非線形光学材料 / 蛍光性結晶 / 有機ゲル / ソフトマテリアル |
研究概要 |
有機結晶は基本的特性は優れていても、単結晶は成形加工の問題があるため、光機能材料への実用化に至っていない。そこで本研究においては発想を転換し、ナノサイズの結晶を作り、これをゲルなどと複合化することにより、薄膜化、表面コーティングは勿論、折り曲げ自由で生体にも使用できるような柔らかい光機能材料の開発を最終目標として研究を行った。 本研究はナノ結晶がないと始まらないが、有機ナノ結晶の作製方法についてはまだ確立されているとは言えないので、ナノ結晶の作製法から検討を開始した。用いた方法は、基質溶液を、その基質は溶解しない溶媒に加え、基質溶液の溶媒を吸収させることにより結晶を析出させる、液体乾燥法(溶媒吸収法)である。まずポルフィリンについて溶媒の種類、濃度、温度、撹拌方法、熟成時間などのパラメーターを変えて検討した。その結果、-30℃に冷却したエタノールと水の1:1溶液に、テトラフェニルポルフィリンのジクロロメタン溶液を撹拌しながら滴下し、10分後にろ過することにより、100〜200nmの微結晶を得た。次に、私達の開発したアミノピリジン-ベンゼンスルホン酸系の非線形光学結晶については、両成分を含むメタノール溶液を、-10℃のベンゼンと四塩化炭素の1:1溶媒に撹拌しながら滴下し、すぐにろ過することにより、1μm程度の微結晶を得た。また、強い青色蛍光を示すピリジルベンズイミダゾール系の化合物については、-30℃のシクロヘキサンとデカリンの1:1溶媒に、N-メチルピロリドン溶液を、超音波を照射しながら滴下し、すぐにろ過することにより、サブμm程度の微結晶を得た。 一方、フレキシブルな複合体を作るための媒体として、イソプロピルベンゼン系ゲル、ピリジルベンズイミダゾール系の蛍光性ゲルを創製した。これらゲルの微細構造を走査型電子顕微鏡により観察したところ、繊維状などの多様な構造が明らかとなった。
|