研究課題/領域番号 |
14050096
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研究種目 |
特定領域研究
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配分区分 | 補助金 |
審査区分 |
理工系
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研究機関 | 立命館大学 |
研究代表者 |
民秋 均 立命館大学, 理工学部, 教授 (00192641)
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研究期間 (年度) |
2002
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研究課題ステータス |
完了 (2002年度)
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配分額 *注記 |
3,000千円 (直接経費: 3,000千円)
2002年度: 3,000千円 (直接経費: 3,000千円)
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キーワード | 光合成細菌 / アンテナ / クロロゾーム / クロロフィル / バクテリオクロロフィル / エネルギー移動 / 単一超分子分光 / ゾルゲル |
研究概要 |
光合成細菌の膜外アンテナ部である天然クロロゾームを、単一器官のレベルで検討することで、その構造と機能について検討した。エバネッセント励起(458nm)によって、石英基板に吸着した単一のクロロゾームを可視化し、それらの蛍光スペクトルを測定することに世界で初めて成功した。また、AFM観察(コンタクトモード)で、輝点が単一クロロゾームに由来することも確認した。構成クロロフィル分子に同族体を持たない緑色非硫黄光合成細菌由来のクロロゾームは、個々のクロロゾーム由来の蛍光スペクトルのピーク位置やバンドの半値幅がほぼ同じであった。一方、4種類の同族体を有する緑色硫黄光合成細菌由来のクロロゾームではクロロゾーム個体間に大きな不均一性が存在した。同族体の存在と個々のクロロゾームの物性との関係を示唆する結果となった。 次に、天然型クロロフィルを模したより安定で調製しやすい亜鉛クロロフィルを合成し、Triton X-100のミセル中で自己会合させ、バクテリオクロロフィルモデル分子へのエネルギー移動系を、天然クロロゾームのモデル系として構築し、そのエネルギー移動過程を検討した。しかし、このような系は、水中での可逆なミセル形成を基にしているため、比較的不安定であり、界面に修飾することは難しい。そこで、より安定な自己集積系を目指して、ゾルゲル法を利用したミクロ不均一系を構築した。つまり、TritonX-100の代わりに、オクタデシルトリエトキシシランを用いることで、ミセル界面で架橋重合を行って、シロキサン被膜を調製した。このような系は、通常のミセルよりも安定で、微粒子としての取り扱いが可能であった。また、このような安定微粒子内でのエネルギー移動系の構築にも成功した。
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