研究課題/領域番号 |
14050105
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研究種目 |
特定領域研究
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配分区分 | 補助金 |
審査区分 |
理工系
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研究機関 | (財)神奈川科学技術アカデミー |
研究代表者 |
大西 洋 (財)神奈川科学技術アカデミー, 極限表面反応プロジェクト, 研究員 (20213803)
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研究分担者 |
石橋 孝章 (財)神奈川科学技術アカデミー, 極限表面反応プロジェクト, 研究員 (70232337)
笹原 亮 (財)神奈川科学技術アカデミー, 極限表面反応プロジェクト, 研究員 (40321905)
上塚 洋 (財)神奈川科学技術アカデミー, 極限表面反応プロジェクト, 研究員 (90321900)
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研究期間 (年度) |
2002
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研究課題ステータス |
完了 (2002年度)
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配分額 *注記 |
2,600千円 (直接経費: 2,600千円)
2002年度: 2,600千円 (直接経費: 2,600千円)
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キーワード | アナターゼ / ルチル / 酸化チタン / 光触媒 / 親水性 / 走査トンネル顕微鏡 / 表面構造 / 原子間力顕微鏡 |
研究概要 |
プローブ顕微鏡は反応条件下において単一原子分子スケールの実空間観察を実現する強力な実験手法である。しかし、その極限的分解能を十分に発揮するためには平坦性の良い試料が必要である。従来の顕微鏡観察は良質の単結晶基板が入手できるルチルに限られてきた。本研究では、実用的に用いられる光触媒材料・太陽電池材料のほとんどを占めるアナターゼの単結晶薄膜(膜厚50nm)をチタン酸ストロンチウム結晶上にエピタキシャル合成し、走査トンネル顕微鏡(STM)と非接触原子間力顕微鏡(NC-AFM)で原子分解能観察した1)。合成したアナターゼ(001)単結晶膜のNC-AFM画像をFig.1に示す。NC-AFMは探針先端と表面原子とのあいだにはたらく力を用いて探針位置を制御する顕微鏡2)であり、アナターゼ表面を構成する原子による凹凸が比較的素直に投影された顕微鏡画像がえられていると考えてよい。これに対してSTMは局所電子状態密度の濃淡を画像化する顕微鏡である。NC-AFM像とSTM像を比較し、さらにアナターゼ表面にギ酸イオンを吸着させて吸着活性なチタン原子を検出して表面構造を検討した。 アナターゼ結晶を構成するTi06ユニットは正八面体から歪んでいる。歪み応力にさらされた表面は大規模な構造変化を起こしやすい。アナターゼ(001)表面も結晶を単純切断した構造をとることができず、(1x4)と名付けられた別の構造に再構成することが知られている。(1x4)表面の原子スケール構造は未決定で、いくつかの相反する構造モデルが提案されていた。これまでに提案された構造モデルのほとんどは本研究でえた顕微鏡画像を説明できない。唯一、第一原理に基づいた構造最適化計算から予言されたモデルが顕微鏡画像と矛盾しなかった。
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