配分額 *注記 |
19,500千円 (直接経費: 19,500千円)
2005年度: 1,700千円 (直接経費: 1,700千円)
2004年度: 4,300千円 (直接経費: 4,300千円)
2003年度: 9,800千円 (直接経費: 9,800千円)
2002年度: 3,700千円 (直接経費: 3,700千円)
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研究概要 |
・パルスレーザー衝撃(PLD)法により作製されたZn1-xCox0のCo 2p吸収端におけるX線吸収スペクトル(XAS)と磁気円二色性(XMCD)を測定し,スペクトル形状をクラスターモデル解析した.XMCD強度の磁場及び温度への依存性は相互作用のない磁性イオンのものとは大きく異なり,Coイオン間に強磁性的な相互作用と反強磁性的な相互作用が分布して存在することが示唆された. ・分子線エピタキシー(MBE)法により作製されGa1-xMnxNのMn 2p吸収端におけるXASおよび共鳴光電子分光を行い,スペクトル形状をクラスターモデル解析した.Mnイオンの価数が2+であること,Mn 3d準位が主に価電子帯に現れることを見出した.Mnドーピングによる価電子帯頂上に形成されるアクセプター準位が電子により占有されることを見出し,理論から予測される高温強磁性が実現しない原因がキャリアーの補償効果であると提案した. ・Ga1-xCrxN(x=0.015)のCr 2p吸収端におけるXAS, XMCD及び共鳴光電子分光を行った.Cr 2p XASスペクトルはCr3+イオンの多重項構造を示した.共鳴光電子分光ではCr 3d部分状態密度がGaNバンドギャップ中に現れることが確認された.そのCr 3d部分状態密度はフェルミ準位で抑制されており,理論計算から予想される明確なフェルミ端は観測されなかった. ・弱い強磁性を示すZn1-xVx0(x=0.05)試料のXAS, XMCDを測定し,VがZn2+を2価で置換しその一部が磁化を担っていることを見出した.磁化測定との比較より,Vイオンのうちキューリーワイス型常磁性を担うものが約10%,非磁性(おそらく強く反強磁性的に結合したもの)が約90%と結論した.本試料は強い還元処理を行っていないために,強磁性成分は磁化測定にのみに弱く現れた.さらに,常磁性のVイオンについては,非磁性のVイオンに比べてc軸方向の歪みによる結晶場が強くなっていることが示された.
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