配分額 *注記 |
19,900千円 (直接経費: 19,900千円)
2005年度: 5,100千円 (直接経費: 5,100千円)
2004年度: 6,800千円 (直接経費: 6,800千円)
2003年度: 5,600千円 (直接経費: 5,600千円)
2002年度: 2,400千円 (直接経費: 2,400千円)
|
研究概要 |
半導体・金属ハイブリッド構造で観測される磁気抵抗スイッチ効果は,その非線形な電流-電圧特性が,磁場によって線形性を取り戻す効果であると見なすことが出来る.この非線形性の起源を明らかにするために,平成14年度から平成15年度にかけて,磁気抵抗スイッチ効果の発現に必要な構造条件を明らかにすることを試み,半絶縁性GaAs表面にAuの電極からなるナノメートルスケールのギャップを作製した構造において,磁気抵抗スイッチ効果を観測することに成功した.平成16年度には,このAu電極を備えたGaAsからなる磁気抵抗スイッチ効果素子から,キャリアの注入によるエレクトロルミネッセンスを観測するにいたった.さらに,平成17年度にかけて,空間分解ルミネッセンス測定を実施した結果,非線形電流-電圧特性を示すのは,Au電極間にあるGaAs表面部分ではなく,AuとGaAsからなるショットキー界面付近ではないかと思われる結果を得るにいたった.GaAsの表面伝導が寄与しているのてあればその制御は困難であることが想定されていたので,デバイスとしてこの磁場依存の非線形電流-電圧特性を活用するには好都合の結果であった.平成17年度の後半は,成膜プロセスを変えることで,Au/GaAsショットキー界面の効果と電極材料依存性を調べることにより,当研究項目の最終目標達成を目指した.その結果,ショットキー面が結晶工学的に荒れていると推察される試料においては,非線形電流-電圧特性は観測されても磁場に対する応答がなかった.すなわち,金属/半導体ショットキー接合界面における磁気輸送現象が,磁気抵抗スイッチ効果の本質であるとの確証を得るに至った.これらの研究成果により,金属/半導体ショットキー接合界面で観測される抵抗スイッチ効果を制御するための統一的な理解が得られた.
|