研究課題/領域番号 |
14078205
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研究種目 |
特定領域研究
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配分区分 | 補助金 |
審査区分 |
理工系
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研究機関 | 筑波大学 |
研究代表者 |
細見 彰 筑波大学, 名誉教授 (00004440)
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研究期間 (年度) |
2002 – 2005
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研究課題ステータス |
完了 (2006年度)
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配分額 *注記 |
28,400千円 (直接経費: 28,400千円)
2005年度: 7,200千円 (直接経費: 7,200千円)
2004年度: 7,200千円 (直接経費: 7,200千円)
2003年度: 7,000千円 (直接経費: 7,000千円)
2002年度: 7,000千円 (直接経費: 7,000千円)
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キーワード | 有機ケイ素反応剤 / インジウム触媒 / 還元反応 / 炭素-炭素結合形成反応 / シリルエノラート / アルドール反応 / ジメチルシリルエノラート / 立体選択的合成 / タンデム反応 / Mannich型反応 / エナンチオ選択性 / α-ジメチルシリルエステル / ケイ素反応剤 / 不斉還元反応 / Michael付加反応 / 1,3-ジオール / α,β-不飽和カルボニル化合物 |
研究概要 |
有機ケイ素化合物は他の有機金属化合物に比べて極めて安定であり、入手、合成、保存、取り扱いが容易である。また、多様な反応性を示すことから、有機合成反応剤として数多くの役割を担っている。さらに、一般的に低毒性であることが知られており、環境調和型分子変換を目指す21世紀の有機合成化学において、その有用性はますます高まると考えられる。本研究では、有機ケイ素反応剤の設計と創製に基づき、グリーン化、高効率化、省エネルギー化を可能にする新たな合成反応を開発した。また、インジウム塩を利用することで、有機ケイ素反応剤による新たな還元反応や炭素-炭素結合形成反応の開発にも成功した。 有機ケイ素反応剤の多くがトリメチルシリル(TMS)基か、それよりも大きなシリル基を有する。我々は、ジメチルシリル(DMS)基を有するケイ素反応剤が、TMS基を有するものに比べて極めて高い反応性を示すことを見つけた。例えば、DMSエノラート(1)は、塩化カルシウム存在下、DMF中、30℃という穏和な条件下で効率よくアルドール反応を起こした。一方、対応するTMSエノラートは同条件下では全く反応しなかった。同様の条件下、1はα-エノンに対するMichael付加反応やN-トシルイミンに対するMannich型反応にも有効であった。 ヒドロシランは比較的安定で、通常、単独では還元剤として機能しない。ヒドロシランをヒドリド還元剤として利用するためには、基質あるいはヒドロシラン自体を活性化する添加剤が必要である。我々は、ヒドロシランとインジウム塩からインジウムヒドリド種が生成することを見つけ、触媒的な還元反応や炭素-炭素結合形成反応に利用することに成功した。例えば、触媒量のIn(OAc)_3と1当量以上のPhSiH_3存在下、ハロアルカンの還元反応やヨードアルカンと電子不足アルケンの付加反応が効率よく進行することがわかった。
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