研究課題/領域番号 |
14078215
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研究種目 |
特定領域研究
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配分区分 | 補助金 |
審査区分 |
理工系
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
大嶌 幸一郎 京都大学, 工学研究科, 教授 (00111922)
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研究期間 (年度) |
2002 – 2005
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研究課題ステータス |
完了 (2006年度)
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配分額 *注記 |
98,000千円 (直接経費: 98,000千円)
2005年度: 14,000千円 (直接経費: 14,000千円)
2004年度: 14,000千円 (直接経費: 14,000千円)
2003年度: 59,500千円 (直接経費: 59,500千円)
2002年度: 10,500千円 (直接経費: 10,500千円)
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キーワード | 水中反応 / ニッケル / トリアルキルボラン / アルキル化 / コバルト / 環境調和型反応 / ラジカル / 環化反応 / カップリング反応 / ラジカル反応 / ビニル化 / アリル化 / 有機インジウム化合物 / 有機カリウム化合物 / 金属アート錯体 / グリニャール反応剤 / アリル化反応 / シンナミルエーテル / 不飽和アルデヒドアセタール / 塩化クロム / 環状化合物 |
研究概要 |
従来有機反応は有機溶媒中で行うのが一般的だとされてきた。本特定領域研究では、有機ホウ素化合物を用いて水を溶媒とする新しい遷移金属触媒反応を開発することを目的とし、研究を行った。その結果、ニッケル触媒を用いるアルデヒドのアルキル化反応が、水を溶媒として用いると、有機溶媒中における反応を凌駕する高効率で進行することを明らかにした。 5mol%のビス(1,5-シクロオクタジエン)ニッケルと10mol%のトリ(tert-ブチル)ホスフィンのトルエン溶液を0℃で10分間撹拌した。次いでベンズアルデヒドと二当量のトリエチルボランを加え室温で24時間撹拌した。塩酸で反応を停止し、常法通りの後処理を行うと対応する第二級アルコールが45%という中程度の収率ながら得られた。遷移金属触媒を用いてアルデヒドをアリール化する例は数多く報告されている。一方で、アルキル化反応については、中間体として考えられるアルキル遷移金属中間体がβ-水素脱離を起こしやすいため、その例はほとんど知られていない。 本アルキル化反応は、有機溶媒中よりも水中でより効率よく進行することが明らかとなった。すなわち、これまでと同様にニッケル触媒を調製し、トルエンに代わり水を溶媒として加える。次いで、ベンズアルデヒドとトリエチルボランを滴下し、基質が油滴状に分散するように激しく撹拌する。20時間後反応を停止し、常法通りの後処理を行うと対応するアルコールが収率81%で得られた。さらに興味深いことに、トルエン中でのブチル化反応には炭酸セシウムの添加が必須であったが、水を溶媒とすることで炭酸セシウムを添加しなくとも、目的生成物が90%という高収率で得られることが明らかとなった。
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