配分額 *注記 |
60,900千円 (直接経費: 60,900千円)
2006年度: 12,500千円 (直接経費: 12,500千円)
2005年度: 12,500千円 (直接経費: 12,500千円)
2004年度: 12,500千円 (直接経費: 12,500千円)
2003年度: 11,700千円 (直接経費: 11,700千円)
2002年度: 11,700千円 (直接経費: 11,700千円)
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研究概要 |
単離した肝臓、膵臓、腸管、唾液腺等の細胞集団の中から、極少数しか存在せずかつ形態によって区別することが難しい多能性を持つ幹細胞を、FACS(fluorescence activated cell sorter)を用いた精度の高い細胞分離法により回収し、それらの分化・増殖・自己複製能を解析することを目的として研究を行った。本年度は、まず、肝幹/前駆細胞画分であるc-Kit-CD49f+/lowCD29+CD45-TER119-細胞を対象として、レトロウイルスベクターを用いた自己複製関連遺伝子(β-catenin、Bmi-1)の過剰発現実験を継続して行った。特に、これらの現象が幹細胞画分を対象とした遺伝子導入時に特徴的であり他の細胞画分では観察できないこと、これらのイベントが間違いなく自己複製関連遺伝子を介して生じていることをノックダウン系を用いて証明した。これらにより、組織幹細胞の過剰な自己複製が発癌プロセスの初期イベントとして重要であることが確認された(Gastroenterology in revision)。現在、膵幹細胞等についても同様の現象が観察されるか否かについて実験中である。また、肝幹細胞と肝癌幹細胞を比較することを目的として、複数の肝癌細胞株中のSP細胞画分に腫瘍形成能を有する細胞(tumor-initiating cell)が限定的かつ高頻度に存在することを明らかにした(Hepalogy 44:240-251,2006)。また、膵幹細胞について、膵管上皮細胞マーカーであるCD133の発現を指標として分離する手法を開発し、膵幹細胞の存在部位が膵管上皮であることを明確化した(Gastroenerology 132:720-732,2007)。さらに、幹細胞の可塑性について、膵前駆細胞が神経系細胞へ分化し得る可能性を示唆するデータを得た(BBRC 352:84-90,2007)。
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