配分額 *注記 |
7,900千円 (直接経費: 7,900千円)
2005年度: 1,800千円 (直接経費: 1,800千円)
2004年度: 1,900千円 (直接経費: 1,900千円)
2003年度: 1,800千円 (直接経費: 1,800千円)
2002年度: 2,400千円 (直接経費: 2,400千円)
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研究概要 |
イジング,Q諧調イジング模型による白黒,濃淡画像に関する統計的画像復元の問題に関し,画素及びハイパパラメータの推定アルゴリズムの動的側面を平均場模型に基づく解析,マルコフ連鎖モンテカルロ法による計算機実験で詳細に調べた.特に,ハイパパラメータ推定においてはEM法と周辺尤度の勾配法による直接的最大化アルゴリズムの両者を比較し,ミクロな変数の緩和が十分でない場合の処理過程に及ぼす影響(パラメータの「振動現象」)を明らかにした.また,確率モデル全般に対し,広く用いられているEM法の改良として,非加法的統計力学に基づく確定的アニーリングEM法の提案と巡回セールスマン問題への適用,その統計的性能の評価を行った.さらに,確率的情報処理のキーポイントは「熱揺らぎ」に基づく有限温度での情報ビットの推定(周辺化事後確率最大推定)及び,その最適温度制御(西森温度)であるが,これを量子力学的揺らぎに基づく情報ビット推定法へと拡張し,最適な量子揺らぎ制御を画像修復,ソーラス符号に対して明らかにした. (J.Inoue, Uuantum Spin Glasses, Quantum Annealing and Probabilistic Information Procesing,国際ワークショップ"Quantum Annealing and Other Optimization Methods" in Indiaで招待講演) なお,量子系における動力学の問題は今後取り組む課題となっている. また,本計画研究の過程で提起された新課題として「データシンボルと信号振幅を同時推定するCDMAマルチユーザ復調器の性能評価」(京大・田中利幸氏との共同研究),「濃淡画像のハーフトーン処理とインク滲み除去法の統計力学」(和歌山高専・雑賀洋平氏との研究)が進められており,本計画研究の終了後も継続的に研究成果が見込める状況にある.
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