研究課題/領域番号 |
14084205
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研究種目 |
特定領域研究
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配分区分 | 補助金 |
審査区分 |
理工系
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研究機関 | 東京工業大学 |
研究代表者 |
西森 秀稔 東京工業大学, 大学院理工学研究科, 教授 (70172715)
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研究分担者 |
笹本 智弘 千葉大学, 理学部, 助教授 (70332640)
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研究期間 (年度) |
2002 – 2005
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研究課題ステータス |
完了 (2005年度)
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配分額 *注記 |
19,100千円 (直接経費: 19,100千円)
2005年度: 6,100千円 (直接経費: 6,100千円)
2004年度: 6,500千円 (直接経費: 6,500千円)
2003年度: 6,100千円 (直接経費: 6,100千円)
2002年度: 400千円 (直接経費: 400千円)
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キーワード | スピングラス / 誤り訂正符号 / 誤り訂正限界 / トーラス符号 / ゲージグラス / グリフィス不等式 / 情報処理 / フラストレーション |
研究概要 |
古典的な情報科学における成果,特に誤り訂正符号とスピングラス理論の関連を研究することにより、特に情報理論のさまざまな成果がスピングラスの立場からどう解釈されるかについて、既存の知識を整理した。それに基づいて,情報科学としての重要性とスピングラス理論としての重要性の類似性と違いを明らかした。例えば、シャノンによって定式化された通信路符号化は、復号が完全に成功するための条件を与えるものであるが、これをスピングラスの理論の枠組みの中で再解釈すれば、完全強磁性解の存在条件に相当する。信号の復号は完全でなければ、価値が著しく低下するが、強磁性体では磁化が最大値を取らなくても重要な意義がある。 さらに、スピン系における量子効果とランダムネスの競合の問題を、無限レンジ模型を厳密に解くことにより研究した。その結果、相図の構造の定性的な決定には量子効果は積極的な役割を果たしてないことが明らかになった。それにもかかわらず、このモデルにおける低温の相図には種々の臨界現象の典型例が数多く見られ、フラストレーションとランダムネスの競合のみであっても自明でない現象が生起することが確認された。さらに、スピングラスの多重臨界点の厳密な立置に関する予想を立てた。 スピングラスと量子誤り訂正符号の形式的な関連を利用して、量子誤り訂正符号の訂正限界の"密な値を、スピングラスの多重臨界点の位置から予想する仕事も行った。この予想を、自己双対でない系にも拡張し、時間に依存した誤りがあるトーラス符号の誤り訂正限界を解析的に求めた。この研究を発展させ,正方格子だけでなく三角格子上でも多重臨界点の厳密解の予想を提出することに成功した。
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