配分額 *注記 |
21,900千円 (直接経費: 21,900千円)
2005年度: 6,800千円 (直接経費: 6,800千円)
2004年度: 6,800千円 (直接経費: 6,800千円)
2003年度: 6,400千円 (直接経費: 6,400千円)
2002年度: 1,900千円 (直接経費: 1,900千円)
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研究概要 |
統計力学の手法に基づいて,誤り訂正符号,圧縮符号,CD甑通信方式など各種符号の性能評価を行うための枠組みを発展させた.得られた枠組みは,以下の3つに大別される. 1.単位符号長を無限大とした極限における典型的な性能を与える方法 符号をランダムハミルトニアンで特徴づけられる一種のスピングラス系と見なし,符号長無限大の極限における復号の成功・失敗を統計力学における相概念と結びつけることにより,不則系の相転移解析から符号の典型的な性能を評価する 2.単位符号長が有限である場合に非典型的な振る舞いを特徴づける方法 大偏差確率の評価法と統計力学におけるレプリカ法を組合わせることにより,符号の性能が型値からずれる確率を評価する 3.単位符号長を無限大とした極限において,確率伝搬法の典型的性能を評価する方法 誤り訂正符号の実際的復号法として,近年,標準的な方法となりつつある確率伝搬法の典型的な性能を単位符号長が無限大となる極限で評価する また,これらの研究を通じ,統計力学的計算手法に関して以下のような知見を得た. 4.レプリカ指数に関する解析性の破れの構造を厳密に解析できる例の発見 数学的正当性が未解決であるレプリカ法に関して,有限系でも現実的に許容できる計算時間でレプリカ法を用いずにレプリカ指数の解析接続が可能となる例を発見し,レプリカ指数に関る解析性の破れがレプリカ対称性の破れを引き起こすシナリオの1つを解明した 5.確率伝搬法の動的不安定性とAT不安定性との対応に対する予想 確率伝搬法が収束しなくなる条件が,レプリカ対称性の破れを引き起こす条件の1つであるAT不安定性条件と一般的に一致することを示唆する結果を得た
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