配分額 *注記 |
25,100千円 (直接経費: 25,100千円)
2005年度: 7,200千円 (直接経費: 7,200千円)
2004年度: 6,900千円 (直接経費: 6,900千円)
2003年度: 6,000千円 (直接経費: 6,000千円)
2002年度: 5,000千円 (直接経費: 5,000千円)
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研究概要 |
本研究課題では,統計力学などの分野で提唱されている様々な確率的手法のアルゴリズム的な有効性を牛析することを目的とした.研究成果は以下の3つに分類することができる. 1.局所探索法の平均的な振る舞いの解析:充足可能性問題などに対し,様々な種類の局所探索法が提案されており,その中のいくつかに対しては,平均的によい精度で解を求められることが実験的に示されている.本研究では,そうしたアルゴリズムを,できる限り理論的に解析する手法を開発した.その中で,比較的単純だが,状態数が多いマルコフ過程に対し,擬似平均という概念を導入し,簡便に解析する手法を提案し,その精度を解析した. 2.学習アルゴリズムの設計技法に関する研究:効率的な学習アルゴリズムを設計する技法の1つに1ブースティング技法がある.このブースティング技法のアルゴリズム論的な側面について研究し,ノイズに対して強いMadaBoostを提案した.また,それを有効に用いるためのサンプリング技法も提案し,その性能を厳密に解析した.以上の成果は,データマイニングで最も権威のある雑誌に掲載し,学習理論の代表的な国際会議でも発表した.さらに,以上の研究,ならびに統計的な側面の研究を,学習アルゴリズムの設計という観点からまとめた専門書を執筆した. 3.確率伝播法に基づいたメッセージ伝播型のアルゴリズムの提案と解析:人工知能,統計力学など,様々な分野で独立に発見され,近年,組合せ論的問題に有効であることで注目を集めている確率的伝播法に基づいたアルゴリズムを開発し,グラフの分割問題,MAX2SAT問題など,代表的なNP困難型最適化問題に応用した.このアルゴリズムに対しては,単なる実験的な評価ではなく,厳密なアルゴリズム論的な性能評価を得ることができた.
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