研究課題/領域番号 |
14084209
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研究種目 |
特定領域研究
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配分区分 | 補助金 |
審査区分 |
理工系
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研究機関 | 京都大学 (2005) 東京都立大学 (2002-2004) |
研究代表者 |
田中 利幸 京都大学, 大学院情報学研究科, 教授 (10254153)
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研究期間 (年度) |
2002 – 2005
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研究課題ステータス |
完了 (2005年度)
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配分額 *注記 |
20,100千円 (直接経費: 20,100千円)
2005年度: 5,000千円 (直接経費: 5,000千円)
2004年度: 6,400千円 (直接経費: 6,400千円)
2003年度: 6,900千円 (直接経費: 6,900千円)
2002年度: 1,800千円 (直接経費: 1,800千円)
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キーワード | CDMA / マルチユーザ復調 / 情報統計力学 / レプリカ法 / 確率伝搬法 / 統計神経力学 / スペクトル拡散 / 密度発展法 / スピングラス / 連想記憶モデル / 並列干渉除去 / マルチステージ復調 |
研究概要 |
スピングラス理論分野における解析手法であるレプリカ法を使って、ランダム拡散および大システム極限の仮定のもとで、各ユーザの情報シンボルの事前分布として任意の分布を許し、また無線通信路での信号劣化過程として各ユーザからの信号の線形重ね合わせに依存して実際の受信信号が確率的に決まるという一般的な条件のもとでCDマルチユーザ復調方式の解析的性能評価を行った。Guoらによって主張されたデカップリング原理(各ユーザは漸近的にそれぞれ単独でガウス通信路を占有して通信をしているとみなせる、という主張)が、本研究での一般的な条件のもとでもやはり成立することを示す結果を得て、統計力学的解析の有効性を示した。さらに、低密度パリティ検査符号を用いた符号化CDMAシステム、フェーディング通信路モデルにおける情報シンボルと信号振幅との同時推定の効果、および周波数ホッピング方式を想定したモデルの解析を行った。 並行して、CDMAマルチユーザ復調に対するアルゴリズムのひとつである並列干渉除去方式について検討した。具体的には、ニューラルネットワークの連想記憶モデルとの形式的類似性にもとづき、統計神経科学の枠組みを並列干渉除去方式の復調ダイナミクスの解析に適用した。また、Divsalarらの部分干渉除去法のダイナミクスを記述する解析的な枠組みを議論した。さらに、並列干渉除去方式と確率伝搬法との関連を考察し、後者のダイナミクスを記述する枠組みである密度発展法を使って並列干渉除去方式のダイナミクスを研究した。得られた結果を線形並列干渉除去方式の検討に適用し、decorrelatorや最小平均二乗誤差復調器などの「一撃」アルゴリズムとの等価性条件を考察した。また、ユーザ間で信号振幅にばらつきがある場合におけるストリッピングを使った並列干渉除去方式の性能評価に際して、提案した解析的枠組みが有効であることを示した。
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