研究課題/領域番号 |
14102004
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研究種目 |
基盤研究(S)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
素粒子・原子核・宇宙線・宇宙物理
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
佐藤 勝彦 東京大学, 大学院・理学系研究科, 教授 (00111914)
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研究分担者 |
須藤 靖 東京大学, 大学院・理学系研究科, 教授 (20206569)
佐々木 節 京都大学, 基礎物理学研究所, 教授 (70162386)
川崎 雅裕 東京大学, 宇宙線研究所, 教授 (50202031)
白水 徹也 東京工業大学, 大学院・理工学研究科, 准教授 (10282716)
樽家 篤史 東京大学, 大学院・理学系研究科, 助教 (40334239)
柳田 勉 東京大学, 大学院・理学系研究科, 教授 (10125677)
吉村 太彦 東京大学, 宇宙線研究所, 教授 (70108447)
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研究期間 (年度) |
2002 – 2006
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研究課題ステータス |
完了 (2006年度)
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配分額 *注記 |
83,330千円 (直接経費: 64,100千円、間接経費: 19,230千円)
2006年度: 15,600千円 (直接経費: 12,000千円、間接経費: 3,600千円)
2005年度: 13,520千円 (直接経費: 10,400千円、間接経費: 3,120千円)
2004年度: 17,680千円 (直接経費: 13,600千円、間接経費: 4,080千円)
2003年度: 17,680千円 (直接経費: 13,600千円、間接経費: 4,080千円)
2002年度: 18,850千円 (直接経費: 14,500千円、間接経費: 4,350千円)
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キーワード | 宇宙論 / 超新星 / 宇宙線 / 重力理論 / 素粒子的宇宙論 / 構造形成 / ニュートリノ / バリオン数生成 |
研究概要 |
本研究の主な研究成果は以下のとおりである。 1.超ハッブルスケールでの非線形曲率揺らぎを一般的に取り扱うことができる非線形δN形式を提唱し定式化した。初期宇宙モデルと観測量を関連付ける強力な理論であり,今や世界中の当該分野の大多数の研究者が使用する非常に強力な道具になっている。 2.「漸近的に平坦で回転のないブラックホール解は高次元シュバルツシルト解のみに限られる」という「唯一性定理」の証明に成功した。4次元時空ではブラックホールの形は2次元球面であるというHawkingの定理があったが、高次元では存在しない。しかし、静的な場合に限ると形が高次元球面になることが分かった。 3.最も有力なバリオン数生成の機構と考えられているLeptogenesisにおいてニュートリノ振動現象に現れるCPの破れの符号と宇宙のバリオン数を関係させる模型を提唱した。 4.ビッグバン元素合成においてグラビティーノ崩壊などを詳細に評価し、元素合成からのハドロン放出崩壊に対する制限を求めることに成功した。これはインフレーション宇宙モデル構築に重要な手がかりを与えるとともに、宇宙の物質・反物質の起源を説明するバリオン数生成機構に対しても重要な示唆・制限を与えた。 5.ブレーン宇宙モデルにおける始原的ブラックホールホールの蒸発によって形成される背景ガンマ線や反陽子が現在の観測上限値を超えないこと等の条件から、ブラックホールの量や、バルク空間の曲率等に制限が付けられることがわかった。 6.数値シミュレーションを用いて銀河団重力ポテンシャルの3軸不等モデルを経験的に構築することができた。これにより非球対称性の効果を初めて定量的に取り扱うことを可能となり標準的な冷たい暗黒物質モデルでは説明できないとされていた重力レンズ銀河アークの存在確率が3〜10倍増加し、観測と一致することが示された。 7.スローンデジタルスカイサーベイによる銀河分布のデータを用い、非ガウス性の発達具合が銀河の分類ごとに異なることをつきとめた。このように銀河進化による非ガウス性の影響を分離する礎が与えられ、密度ゆらぎの初期条件を探る基盤を作ることができた。
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