研究課題/領域番号 |
14201009
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研究種目 |
基盤研究(A)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
美術史
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研究機関 | 独立行政法人文化財研究所東京文化財研究所 |
研究代表者 |
中野 照男 独立行政法人文化財研究所東京文化財研究所, 美術部, 部長 (20124191)
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研究分担者 |
鈴木 廣幸 (鈴木 廣之) 東京学芸大学, 芸術スポーツ科学系, 教授 (00132704)
田中 篤 (田中 淳) 独立行政法人文化財研究所東京文化財研究所, 美術部・黒田記念近代現美術研究室, 室長 (00163501)
山梨 絵美子 独立行政法人文化財研究所東京文化財研究所, 情報調整室, 室長 (30170575)
津田 徹英 独立行政法人文化財研究所東京文化財研究所, 美術部・広領域研究室, 室長 (00321555)
勝木 言一郎 独立行政法人文化財研究所東京文化財研究所, 美術部, 主任研究官 (50249918)
大塚 英明 日本大学, 文理学部, 教授 (10102633)
島尾 新 多摩美術大学, 美術学部, 教授 (80170926)
岡田 健 独立行政法人文化財研究所東京文化財研究所, 国際文化財保存修復協力センター・保存計画研究室, 室長 (40194352)
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研究期間 (年度) |
2002 – 2005
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研究課題ステータス |
完了 (2005年度)
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配分額 *注記 |
47,710千円 (直接経費: 36,700千円、間接経費: 11,010千円)
2005年度: 7,410千円 (直接経費: 5,700千円、間接経費: 1,710千円)
2004年度: 12,090千円 (直接経費: 9,300千円、間接経費: 2,790千円)
2003年度: 12,610千円 (直接経費: 9,700千円、間接経費: 2,910千円)
2002年度: 15,600千円 (直接経費: 12,000千円、間接経費: 3,600千円)
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キーワード | モノの移動 / 価値形成 / 価値の形成 |
研究概要 |
近年、「美術」と「美術史」の成立に関する研究を通じて、「美術品」という姿は歴史の一段階にすぎないことが明らかになった。「美的価値」の普遍性神話が崩壊した現在、モノの価値から離れては成立し得ない美術史研究は、モノの価値形成のシステムについて改めて問い直す必要がある。「モノ」は「美術」となる以前から、さまざまなかたちで価値づけられた歴史を持つ。これを考察する切り口として、本研究では「移動」という視点を設定した。モノは移動の過程で、価値を質的・量的に変動し、また新たな価値を形成しつつさらなる移動を促すからである。 本研究では、モノの移動を追うことでモノの価値形成のダイナミズムを分析し、モノの現在を解明することを目的とし、資料の収集、国内外での調査、資料のデータ化、研究会の開催等を行った。近代以前の研究では、日本における美術史学の成立以前のモノの価値形成を注意深く見つめ、そこにいかなるシステムがあったのかを具体的に検証した。近代以後の研究においては、美術史学が成立するとともに、あるいは成立する過程においてどのような価値形成システムがあったのかを問うた。外国美術の研究では、日本国内にとどまらないモノの移動をめぐる価値形成の諸事情を探った。また、芸能史、建築史、考古学研究者の協力を仰ぎ、それぞれの分野において同様の視点をとることで、絵画史や彫刻史の研究者が見落としがちな事情を浮上させ、研究内容を深化させることを狙った。 この結果明らかとなったのは、美術史学の成立前後にかかわらず、またモノが有形であるか無形であるかにかかわらず、いわゆる受容史の重要性と価値変容の身軽さである。またそのなかで、価値を唱える人の主体性、およびその主体性の積み重なりあるいは忘却の結果としての価値の現状もまた浮き彫りとなったところである。
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