研究課題/領域番号 |
14201025
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研究種目 |
基盤研究(A)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
社会学(含社会福祉関係)
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研究機関 | (財)東京都高齢者研究・福祉振興財団 |
研究代表者 |
高橋 龍太郎 (財)東京都高齢者研究・福祉振興財団, 東京都老人総合研究所, 研究部長 (20150881)
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研究分担者 |
園田 恭一 新潟医療福祉大学, 社会福祉学部, 教授 (20009898)
須田 木綿子 東洋大学, 社会学部, 教授 (60339207)
深谷 太郎 (財)東京都高齢者研究・福祉振興財団, 研究助手 (80312289)
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研究期間 (年度) |
2002 – 2005
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研究課題ステータス |
完了 (2005年度)
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配分額 *注記 |
41,860千円 (直接経費: 32,200千円、間接経費: 9,660千円)
2005年度: 16,510千円 (直接経費: 12,700千円、間接経費: 3,810千円)
2004年度: 4,810千円 (直接経費: 3,700千円、間接経費: 1,110千円)
2003年度: 14,690千円 (直接経費: 11,300千円、間接経費: 3,390千円)
2002年度: 5,850千円 (直接経費: 4,500千円、間接経費: 1,350千円)
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キーワード | 国際研究者交流 / 介護保険 / 社会福祉学 / 質的研究 / 介護負担 / 家族関係 / 介護支援専門員 |
研究概要 |
在宅高齢者とその家族の介護体験の構造、介護支援の視点、在宅生活の限界点の要因を検討するために、東京都葛飾区と秋田県大館市在住で調査の承諾を得たそれぞれ1057名、522名の要介護認定高齢者を対象として2003年6月と2005年6月に調査を行った。追跡調査時点でそれぞれ22.6%、33.1%が長期入院・施設入所、ないし死亡しており、追跡率は81.6%、95.4%であった。両地域における母集団と本研究の対象者の要介護度分布を比較したところよく一致し、要介護度に関して対象者は母集団の特性を代表していると推察される。葛飾では高齢者の独居や主介護者との別居が多く、主介護者の続柄では娘やホームヘルパーが多くみられ、大館では有配偶子との同居が多く、主介護者では妻と嫁が多くなっていた。追跡時の死亡は、主介護者が妻と嫁で多く、より重度の介護を担っていることが示唆され、モラールや介護負担感など「心理」変数や、「髪をとかしたりひげを剃ったりしてもらっていない」こととの関連を示した。長期入院・入所者ではショートステイ利用が多く、介護保険サービス利用は高齢者の健康状態よりも主介護者の続柄や同別居等の社会的要因に多く規定されているようである。追跡中の入所は、大館においてより高率で、主介護者続柄は、葛飾では嫁、大館では息子で頻度が高く、認知機能よりも実際に出現している行動障害などとの関連が強くみられた。高齢者の健康状態や低栄養リスクの地域差(大館において良好)は、大館の要介護度4,5の高齢者の施設利用率が高かったことと関係していることが推察された。「在宅介護=同居家族による介護」という日本固有の意識構造が注目され、同居の容易さはむしろ施設志向に結びついている可能性がある一方、介護関係の安定性に寄与している要素として、介護者の「無関心を装った配慮」と呼べるような配慮(Care)が抽出された。
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