研究課題/領域番号 |
14201028
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研究種目 |
基盤研究(A)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
教育学
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研究機関 | 広島大学 |
研究代表者 |
有本 章 広島大学, 高等教育研究開発センター, 教授 (00030437)
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研究分担者 |
小笠原 正明 北海道大学, 高等教育機能開発総合センター, 教授 (60001343)
斉藤 紘一 東北大学, 大学教育研究センター, 教授 (90004457)
山本 眞一 筑波大学, 大学研究センター, 教授 (10220469)
田中 毎実 京都大学, 高等教育教授システム開発センター, 教授 (70093432)
川嶋 太津夫 神戸大学, 大学教育研究センター, 教授 (20177679)
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研究期間 (年度) |
2002 – 2004
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研究課題ステータス |
完了 (2004年度)
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配分額 *注記 |
25,740千円 (直接経費: 19,800千円、間接経費: 5,940千円)
2004年度: 5,720千円 (直接経費: 4,400千円、間接経費: 1,320千円)
2003年度: 11,050千円 (直接経費: 8,500千円、間接経費: 2,550千円)
2002年度: 8,970千円 (直接経費: 6,900千円、間接経費: 2,070千円)
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キーワード | FDの制度化 / SDの制度化 / 大学類型 / 大学改革 / 高等教育の国際比較 |
研究概要 |
次の4つの具体的課題を研究目的として、分析を進めた。第1に、国際比較の視点を踏まえて日本のFD・SDの制度化の問題点や課題を考えること、第2に、先進的に制度化が達成された諸外国の実態を把握すること、第3に、日本全国の大学学長、学部長、教員の意識に関するアンケート調査の分析結果を報告すること、第4に、全国の国立大学法人を中心にしたFD・SDの制度化の現状と課題を報告することである。それらの研究結果は、各種の雑誌・書物・学会等で発表した。 FDに関しては、次点が成果である。外国の先進的な取組みと比較して日本の置かれている現状を直截理解することができた。先進国の米国と比較した場合、米国はすでに学問中心地に結実する成果を出しているのに対して、日本の場合は立ち遅れた状態にあることを指摘せざるを得ない。そうした比較を基に、日本のFDの長所と短所を分析してみると、概してFDの理念型としてのボトムアップ型よりもトップダウン型、自由型よりも強制型、多様型よりも画一型、広義型よりも狭義型に陥っていることが指摘できるであろう。これらの陥穽をいかに克服して、FDの本質を体現するかは、当面の課題となっている。 また日本の現状は、大学教員の意識が、研究志向から教育志向へある程度転換したことから、FDの制度化が進展したものと評価される。しかし、FDの精神や本質を十分成就させるには、なお今後相当の時間を要する段階に留まっているとみられる。外国の先進モデルに学びながら、輸入・舶来概念がその制度化過程において日本本来の文化、風土、土壌と緊張、葛藤、軋轢を生じている事実を直視することによって、日本的なFDの創造に向けて一層の創意工夫の取組が期待される。 SDについては、大学職員を巡る環境の変化から、キャリア形成支援の充実が求められていること、複雑化した管理運営や正課外活動に対応し、更に当該業務を高度化していくために、大学職員の専門職化が必須となっていて、それらに関連した知識・技能を有する専門職を育成することが、SDの大きな課題となっている。
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